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Youtube で面白い映像を見つけた。jonabmxxx さんというプロフィール欄の国がスペインになっている方のビデオ投稿。将棋の盤駒を DIY で作成している４８秒の短い映像である。
スペインでは、筆者の日本人の知人が居て、将棋の盤駒を数十組持ち込んで希望者に分けているのを知っている。だが、こういう方が現地にいるのは知らなかった。自分で盤駒を作成してでも、将棋を楽しみたいということであろうか。だとすれば嬉しいことであるが、反面、そうまでしなければならないのは、まだまだ将棋の盤駒の海外への流通は課題が山積だらけであることの裏返しでもあり、少々複雑な気分ではある。
本日(8/10)２０時より、近代将棋道場で、日中の学生の国際対局が行われる。解説は早大生でもある広瀬五段の予定。詳しくは近代将棋ＨＰ「最新ニュース記事」を。
米国カンザス州の発行部数 30,000部の地元紙 Salina Journal に shogi の文字が載った。ネット版の記事でそのことを知った。
For his first visit to America, 14-year-old Shota Kimoshita already has sampled Mexican food for the first time. He's taken in a Kansas City Royals baseball game and he's teaching a Japanese chess game -- Shogi -- to his host family, Salinans Mark and Tina LeValley, and their three sons.（太字による強調は筆者による）
カンサス州に日本からホームステイしている１４歳の少年が、初めてのメキシコ料理を食べさせてもらったり、野球へ連れて行ってもらったりしたお返しに、ホストファミリーに将棋を教えていることが記事になっている。この少年はラボのプログラムでカンザス州でホームステイすることになったようだ。
以前にも、日本へホームステイしている外国人にホストファミリーが将棋を教えた例があることを当ブログでは紹介したことがある。日本でホストファミリーをしたり、外国へホームステイする方で、将棋ができる人は多いと思われる。そういう方々が、将棋を外国の人へ直接伝えるというのも、将棋が世界へ広まっていくひとつの経路である。
理化学研究所の 8/7 8/3 付け英文プレスリリースがあった。
Press Releases (Riken)
Brain Science Institute, Fujitsu Laboratories Ltd., and Fujitsu Japan, in collaboration with Japan Shogi Association, launched a joint research project in order to understand the intuitive thinking mechanism characteristic to human beings by elucidating the neural information processing network in the Shogi game through detailed analysis of how Shogi players judge the current situation and determine the next move. (太字による強調は筆者）
理化学研究所は、少なくとも現段階においては、この研究プロジェクトは英語で情報発信すべき価値があると考えているようだ。
米国の 8/6 付けなので、上記の英文発表を受けたのか、日本語のニュースを見たのか不明だが、Computer Weekly.com がこの研究プロジェクトについて触れている。
Chess computer to get inside players' minds (Computer Weekly.com)
上記の記事で、日本将棋連盟は Japanese Shogi Association と訳されて、日本将棋連盟のトップページの Google Translation の英訳にリンクがされている。はっきりいって、まだ Google Translation の日本語から英語への翻訳は使えるレベルではない。こういうことがあるので、日本将棋連盟は英語のウェブページを早く復活させるべきと思う。
先週末の８月４、５日にカナダのケベック州モントリオールで、OTAKUTHON という、コンコルディア大学のアニメ研究会サークルのメンバー有志が主催するアニメコンベンションが行われた。Otakuthon とは、オタクとマラソンを一緒にした造語なのだろうか。ケベック州は、フランス系の住民が多いところなので、上記のリンクから英語とフランス語のどちらかを選べるようになっている。英語の方のページのひとつに以下の情報があり、囲碁と将棋のお部屋についての記述があるので引用する。
GO and Shogi Room
If video games aren't your style, there will be a GO and Shogi room organized where people could play or ask how to play these traditional Japanese board games.
あちこちの国で、アニメやマンガのコンベンション的なイベントが開かれているが、その際に、囲碁や将棋をプレーし、習える場が併設される例をちらほらと見かける。が、カナダでそのようなイベントの例があるのを知ったのは今回が筆者としては初めて。このイベントに参加し、囲碁と将棋のお部屋を訪れたらしい方のブログもあった。その部分を抜き出してみる。
Comments (Game Section)
Well I didn't play much this year but it was quite fun actually. I played some Naruto Gekitou Ninja Taisen 4 on the Gamecube along with Kevin Chen who I met during the convention. Played a bit of Guilty Gear Asuka and XX Slash but I completely missed the Super Smash Brothers Melee Competition! That just bites and I was utterly pissed off when I found out I missed the event by a few minutes. Ah and learning Shogi was quite interesting, that of course, happening after beating another person at Go.
筆者は、世界各地のこの種のイベントで、このように囲碁や将棋の場が設けられるようになったのは、「ヒカルの碁」と「ナルト」によるところが大きいと考えている。「ナルト」には奈良シカマルという、IQ200以上で、将棋などのボードゲームが得意なキャラクターが登場する。
理化学研究所と富士通が日本将棋連盟の協力で、脳機能活動に関する共同研究プロジェクトを開始した。
富士通のプレスリリース
理化学研究所のプレスリリース
棋士の脳から「直感思考」を解明へ システム運用技術に応用も (ITmedia News)研究プロジェクトの成果は、インターネット上の三次元仮想空間として急速に成長している｢セカンドライフ｣内に富士通が保有する｢島｣でも、順次発表し、世界中の研究者ともオープンな議論を進めていきます。（富士通のプレスリリースより。太字による強調は筆者による）
世界中の研究者とオープンな議論を進めるためには、研究成果が日本語ではなく英語で発表されることが必須であろう。現在までのところ、shogi という単語が含まれた情報が英語で発信されるのは、マンガ・アニメ・ゲーム等のいわゆるポップカルチャー関連が多かったが、この共同研究の成果発表により、アカデミズムの世界でも shogi という単語が知られていくことが期待できると考える。
将棋では、この９月から本間六段が文化交流使として９ヶ月間フランスに滞在し、そこを拠点としてヨーロッパ各地で普及活動を行う予定が伝えられている。
囲碁では、既に小林千寿五段が文化交流使としてウィーンに滞在しており、その活動レポートが日本棋院のホームページ内で読めるようになっている。
制度上、文化交流使は、活動を終えた後に文化交流使活動報告会を行うこととなっている。われわれの血税を使うのだから物見遊山であってはならず、活動の成果を公にするのは当然といえば当然である。ただし、事後に報告を行うのでは、活動期間中に現地の日本人コミュニティの心ある人などからの協力は得られないことになる。おとなりの囲碁界に上記のようないい見本があるのだから、本間文化交流使の活動内容も、同様に日本将棋連盟のウェブサイトで適宜発信されるといいと思う。
将棋世界９号の「連盟の瀬川さん」で、
現在の将棋界に足りないものはありますか？もしあるとしたら、それは何でしょうか。（熊本県 誘惑されて）
という質問があった。これに対し、瀬川さんは、「いやあ、厳しい質問ですね」と前置きしながらも、昨年のロンドンへの普及旅行の体験を踏まえ
やはり日本以外、つまり世界に「将棋」というゲームのアピールが足りないのではないでしょうか。
と答えられている。また、海外で将棋が人気となり、ブームを逆輸入する形での国内女子高生への将棋普及という仰天のアイデアも披露された。先号だったと思うが、同じ欄で段位免状についての思い切った発言もあった。ブログの内容は安心して読めるが、著書の「後手という生き方」では将棋人口の数値目標に言及していたりもして、このところの瀬川四段の紙媒体での発言からは目が離せない。
民主党が受けた以上の追い風が将棋界に吹いているのではと思う。現在一般向けの雑誌でいわゆる将棋マンガが連載されている雑誌は５誌ある。題名と掲載誌は以下。
しおんの王 － 月刊アフタヌーン
うちゅうの王 － 小学五年生
ハチワンダイバー － ヤングジャンプ
３月のライオン － ヤングアニマル
瑠璃の箱舟 － スーパージャンプ
日本雑誌協会という社団法人があって、毎年、マガジンデータという各雑誌の発行部数などのデータを公表している。上記５誌を一号当たりの発行部数の多い順にその２００６年のデータにもとづいて並べると
ヤングジャンプ － 1,006,875部
スーパージャンプ － 355,417部
ヤングアニマル － 196,334部
月刊アフタヌーン － 127,417部
小学五年生 － 62,667部
となる。５誌とも発行部数は、印刷証明付き部数である。このうち、ヤングジャンプ、スーパージャンプ、小学五年生については、読者構成のデータもある。
ヤングジャンプは、２０代から３０代、スーパージャンプは２０代後半以降、小学五年生は、９歳から１２歳までの層に読まれていることになる。「３月のライオン」が始まったヤングアニマルの読者構成が気になるところだが、仮に１０代後半から２０代前半だとすると、中学生向けを除いて小学生から大人に至るまで将棋マンガが載っているマンガ誌が存在することになる。これが追い風かそうでないかは、考えるまでもないことであろう（参考までにいうと、「週刊文春」は798,340部である。ヤングジャンプはそれよりはるかに多いことになる。また「週刊将棋」は自社のホームページで２０万部発行としているが、これは印刷証明付き部数ではないと思われる）。
7/31 付け米長邦雄氏の「さわやか日記」に以下の情報があった。
３時３０分からは海外の総領事に赴任される方が来訪。将棋の普及に務めたいとのこと。有難いことです。ドイツのデュッセルドルフ在住の方はご協力を宜しくお願いします。
「海外の総領事」とあるが、その後の文面からすると、ドイツのデュッセルドルフの日本総領事赴任予定の方が将棋の普及に興味がある、ということであろうか。いずれにせよ、外地に一定の期間腰を落ち着ける日本人の方で、将棋の普及に当たる方が出てくるのは心強い。
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