先日、コメント欄で、以下のような問いかけをいただいた。
数独が世界中に普及するのに10年かかっていませんね。詰将棋のほうはどうなんでしょうか。
数独について知らない方もいると思うので、どんなルールなのかについてまずはリンク。
ニコリ公式パズルガイド「数独」(テキスト版)
さて、冒頭で紹介のコメントをきっかけに、数独(ナンプレ、ナンバーリプレースメントともいう)の伝播について少し調べてみた。以下のブログに大変よくまとまっている。一部を引用。
SUDOKU(数独)は、世界共通語:イザ!
日本での人気を目の当たりにした、香港在住のニュージーランド人が、英国の高級紙「The Times」に掲載を持ちかけたところ、承諾して、連載を始めたのです。これが2年前。
リンク先のごとく英国の The Times を皮切りとしてとして、英国のほとんどの新聞に数独のパズルが載るようになり、わずかの間で、フランスのル・モンド、ドイツのディーツァイト、アラブ、ロシアの名だたる有力紙がパズルとして紙面化している様子が上記に書かれている。
考えてみると、数独というパズルは、1から9までのアラビア数字しか使わない。しかも、数字を使っていながら、足し算、引き算などの計算も全く行わない。アラビア数字は、世界最初のほんもののデファクト・スタンダードではないかと筆者は思っているが、要するにこのパズルを楽しむためには、世界標準の文字をたったの9文字だけ覚えていればいいのだから、対象者は限りなく多いことになる。新聞の購読者はその全員が潜在的な解答者といってよいだろう。新聞社にとってはありがたいパズルである。対して、詰将棋は、漢字が読めるか、読めなくてもそれぞれの駒を識別できて、その動き方を知っているのが最低条件だから、数独にくらべて圧倒的に敷居が高いといわざるを得ない。数独があっというまに世界に伝播したのは、対象者が広かったことがひとつと、The Times をはじめとする新聞社が、SUDOKU の潜在的な解答者が読者とがほぼ等しいことに気付いたからではないかと思う。
また、各国の新聞が飛びついたのは、パズルとしての面白さもさることながら、このパズルを印刷するときに、アラビア数字と縦横の罫線を印刷すればよいのだから、新たなフォントを用意することはほとんど必要なく、簡単に印刷工程にのせることができたのも一つの要因ではないかと考えている。詰将棋が外国の新聞に載ることを考えると、ルールの問題もあるし、将棋の駒のフォントをそろえて、自在に配置して図面化できるようになるのには相当な関門があるのではないだろうか。
ところで、The Times は、ネット上でも意欲的で、そのオンラインサイトでもインタラクティブに数独ができるページを作っており、毎日問題を更新している。また、過去問も解くことができ、難易度で問題を選ぶこともできる。
Interactive Sudoku | Sudoku | Games & Puzzles - Times Online
オンライン版の読者には、ネット上で、数字を入れたり、消したりしながら、数字を全部入れたら、Submit するような仕組みになっている。SUDOKU をネット上で楽しむことでできる機会が新聞社の手によって提供されていることになる。
翻って、日本の新聞社は、このようなインタラクティブなパズルを誰でもみることができるオンライン版で提供しているのであろうか。数独でも詰将棋でも、The Times のようにネットユーザーに楽しく使ってもらうような積極的な姿勢を見せて欲しいと思う(尤も The Times でもチェスではインタラクティブなページは提供されていない。Daily Chess Challenges & Winning Chess Moves - Times Online という欄が毎日掲載されているようである)。
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