将棋の海外伝播などについてのブログ

将棋に興じる人物にも触れている鳥獣人物戯画のニュースが英訳された

毎日新聞で以下のような日本語記事が１５日に流れた。

• 鳥獣人物戯画：絵巻物に仕立て直しを確認　京都国立博物館 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)

最古の漫画ともいわれる京都・高山寺（京都市右京区）所蔵の国宝「鳥獣人物戯画」全４巻の一つ「丙巻」が、表に人物画、裏に動物画を描いた１枚の和 紙を薄く２枚にはがし、絵巻物に仕立て直したものであることが分かった。修復していた京都国立博物館が１５日発表した。丙巻は１３世紀の作だが、王朝文化 への関心が高まった江戸初期に鑑賞しやすいよう表装したとみられる。 　丙巻は和紙２０枚をつなげたもので、前半は囲碁や将棋に興じる人物、後半は擬人化した猿やカエルが異なる筆致で描かれている。

鳥獣人物戯画が最古の漫画だとすると、漫画の世界では最初から囲碁や将棋に興じる人物が描かれていたことになる。漫画と将棋とは案外相性がいいのかもしれない。

このニュースが Mainichi Daily News で英訳されて発信されている。

• Famous picture scroll was split to make longer piece, say museum researchers - The Mainichi Daily News

The third scroll consists of 20 pieces of Japanese paper. The first half of the work shows people playing the games of go and shogi, while the latter half depicts anthropomorphic animals like monkeys and frogs with different brushwork.

記事中の写真では「囲碁や将棋に興じる人物」をはっきりと認識できないのが惜しい。

英国オックスフォードに将棋クラブができたと Shogi Londonが紹介

イギリスの将棋愛好家のブログShogi London にオックスフォードに将棋クラブが立ち上がったという記事が載った。

• Shogi London: Shogi in Oxford / March 2011 shogi event

The Oxford University Japan Society (OUJS) is a student run society which brings together both university members and others with an interest in things Japanese. All are welcome.

On 5 February 2011 membership secretary Enki Cheung launched a Shogi Club with a beginners introduction session and a challenge match. The next shogi event will be on 5 March 2011. This is during the OUJS Matsuri from Friday 4th to Sunday 6th March. The schedule also includes sake and sushi tastings and viewing films by the celebrated Japanese film director and animator Miyazaki Hayao. Details can be found on the OUJS news blog here.

（オックスフォード大学日本会(OUJS)は、日本についてもろもろ興味がある学生のメンバーとそれ以外のメンバーを束ねている学生が運営する会である。誰でも歓迎される。今年の２月５日にメンバー管理者のEnki Cheung氏が、初心者への紹介セッションと、挑戦手合いを行って将棋クラブを足しあげた。次の将棋イベントは３月５日である。これは、同会の２月４日から３月７日まで行われる日本祭りの一環として行われている。予定には日本酒と寿司を楽しむのと、著名な日本の映画監督でありアニメーターである宮崎駿氏の作品の上映会もまた含まれている。詳しくは同会のブログで参照できる）

というわけで、オックスフォード大学日本会(OUJS)も読んでみる。

• Oxford University Japan Society » News

Following this, next weekend (5 Feb.) sees the launching of the OUJS Shogi Club, headed by Enki Cheung. At the first event, to be held at Brasenose College from 3:00pm, Enki is going to introduce beginners to shogi, after which we'll have a challenge match between people of similar levels. The idea is to get your skill levels up before this year's Matsuri guest speaker, current British Shogi Chamption Steven Cain delivers his lecture and supervision session in March. For all of you that are up for the challenge, whether you already love playing shogi or just heard about it now, attendance at this event is strongly recommended.

（上記に続いて、次の週末(2/5）には、オックスフォード日本会の将棋クラブがEnki Cheung氏によってスタートする。最初のイベントは、Brasenose Collegeで午後三時から Enkiが初心者に将棋を紹介し、その後、同じくらいのレベルのもの同士で手合いをつけるというもの。これは、３月に予定されているゲストスピーカー、今の英国チャンピオンのSteven Cain氏のレクチャーと指導セッションが今年の祭りの期間中に行われる前に、参加者の技術レベルを向上されておくという考えのもとに行われる。既に将棋を指すのが大好きな人も、ちょっと今聴いただけの人も、この挑戦の機会にやってみようかなと思う人は皆、このイベントに参加するのを強く勧める）。

オックスフォード大学日本会というのがあるのは初めて知った。イギリスの将棋愛好家と、学生による日本文化全般に興味を持っている会との交流というのは今までになかったか、表に出てこなかった動きである。

 

初めて国外で行われる国際将棋フェスティバル

１９９９年の第１回を皮切りに３年ごとに行われてきた国際将棋フェスティバル（第３回までは「国際将棋フォーラム」と呼称）が、今まで日本国内で行われていたのと異なり、第５回目の今年は初めて国外で行われる。場所はフランスのパリで今年の１０月２７日から３０日まで。主催者によるフランス語と英語の２ヶ国語での情報提供がウェブ上で始まった。

• International Shogi Festival 2011

 リンクした先に、PDFファイルのオフィシャルインビテーションレターがダウンロードできるようになっている。それによると現在以下の２９カ国に招待状が送られていて、今後、招待国の拡大もありうるとされている。

• 北米 --- カナダ、合衆国
• 南米 --- パラグアイ、ブラジル
• 欧州 --- オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ロシア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、連合王国、ウクライナ
• アフリカ --- コートジボワール
• アジア --- 中国、日本、タイ
• オセアニア --- ニュージーランド

プログラムとしては、透明なシステムで選ばれた各国の代表１名ずつによるトーナメントと、誰でも参加できるオープントーナメント（昨年亡くなったイギリスの将棋普及家 George Hodges氏をしのんで、George Hodges Memorial と銘打たれている）および、まだ詳細は明らかではないが、（ヨーロッパの）チェスやチャンチー、囲碁プレーヤーとの何らかの合同・交流イベントが行われるようである。また、フリーの北尾女流初段が訪れることが明記されていて、日本将棋連盟からも２－３名のプロ棋士が派遣されることになるようである。

人民中国インターネット版に「北京春節祭りに日本将棋大会開催」という日本語記事

人民中国インターネット版に「「北京春節祭りに日本将棋大会開催」という日本語記事が載った。表彰式の青野九段による授賞のシーンの写真もある。

• 北京春節祭りに日本将棋大会開催_人民中国

北京将棋トレーニングセンター主催の「豊田通商杯」将棋大会が春節（旧正月）期間に北京龍潭湖廟会（縁日）で開催された。およそ100人の中国人学生が小学生の部、中学生の部、大学生の部に分かれて戦った。

小学生の部、中学生の部、大学生の部が同時に行われる大会は日本でも珍しいのではないだろうか。そういうイベントが北京では成立してしまうということである。

大学生の部で優勝した李响さん（21歳）は「日本将棋では取ったコマが使えるという吸収文化はすごい。将来は将棋の普及活動にかかわる仕事をしたい」と話した。日本のプロ棋士青野照市九段、早水千紗女流二段も来場し、大盤解説や指導などを行い、子どもたちも真剣に耳を傾けた。「海外で将棋が行われている国の中で中国が断然トップ、将棋を通して文化交流を広げたい」という

大学生の部で優勝した方に「将来は将棋の普及にかかわる仕事をしたい」と思わせるほどに将棋には魅力があるということであろう。なお、海外で将棋が行われている国の中では、人数は中国が断然トップというのは間違いないが、棋力という面では米国も欧州もそんなに中国と変わらないのではないかとネット上で行われる将棋を垣間見ている範囲ではあるが筆者は思っている。ただ、ネット上の強豪が全米将棋選手権とかヨーロッパ将棋選手権に出場していないケースが多く、そういう方が多くの方の目に見える範囲に入ってきていないというのが現状ではないだろうか。また、ネット上では、ソフトの力を借りてしまえば勝ち進んで強豪になれてしまうというのも一面の事実なので、やはりそういう方が各地で行われる将棋大会に参加して、その棋譜が残り、公開されるということが今後必要になってくるのだと思われる。北京の場合は、北京の強豪の将棋を実際に訪問したプロ棋士が直接見るという形で棋力の確認が毎年行われてきているのが欧米はじめ他国との違いである。

北京では最も古い正月の縁日の一つの龍潭湖廟会には、中国将棋、チェス、碁などをするコーナーが設けられて、中国のプロ選手が現場で指導することで、ファ ンの人気となっている。2003年から日本将棋が加わった。北京で日本将棋の普及活動をしている李民生さんによると、同大会に参加する人の数は毎年増えて おり、北京での日本将棋人口はおよそ８万人に及んでいるという。

この部分を読むと、北京では、シャンチー、チェス、囲碁、将棋を同時に行えるコーナーが春節の期間の龍潭湖廟会に出るとのことであり、将棋以外は中国人のそれぞれの棋士が指導にあたっているようである。日本では、将棋と囲碁が並列に扱われて、シャンチーとチェスとは別格に扱われることが多いが、北京では将棋だけが中国人プロが存在していない競技ということになる。普及という点では将棋はまだ棋類の中でハンディを負っているということになるかもしれない。

Android版の「どうぶつしょうぎ」が発売

 「どうぶつしょうぎ」の Android 版が１２日より発売されている。

• どうぶつしょうぎ ONLINE公式ブログ::Android版どうぶつしょうぎアプリ、本日リリース

英語でも Androidのアプリを紹介するサイトで触れられている。そのページのスクリーンショットを見る限りでは、日本語版だけのようだ。

• CATCH THE LION! ~ Android Game v1.0.1 By LIBLOG | Casual