人民中国インターネット版に「「北京春節祭りに日本将棋大会開催」という日本語記事が載った。表彰式の青野九段による授賞のシーンの写真もある。
北京将棋トレーニングセンター主催の「豊田通商杯」将棋大会が春節(旧正月)期間に北京龍潭湖廟会(縁日)で開催された。およそ100人の中国人学生が小学生の部、中学生の部、大学生の部に分かれて戦った。
小学生の部、中学生の部、大学生の部が同時に行われる大会は日本でも珍しいのではないだろうか。そういうイベントが北京では成立してしまうということである。
大学生の部で優勝した李响さん(21歳)は「日本将棋では取ったコマが使えるという吸収文化はすごい。将来は将棋の普及活動にかかわる仕事をしたい」と話した。日本のプロ棋士青野照市九段、早水千紗女流二段も来場し、大盤解説や指導などを行い、子どもたちも真剣に耳を傾けた。「海外で将棋が行われている国の中で中国が断然トップ、将棋を通して文化交流を広げたい」という
大学生の部で優勝した方に「将来は将棋の普及にかかわる仕事をしたい」と思わせるほどに将棋には魅力があるということであろう。なお、海外で将棋が行われている国の中では、人数は中国が断然トップというのは間違いないが、棋力という面では米国も欧州もそんなに中国と変わらないのではないかとネット上で行われる将棋を垣間見ている範囲ではあるが筆者は思っている。ただ、ネット上の強豪が全米将棋選手権とかヨーロッパ将棋選手権に出場していないケースが多く、そういう方が多くの方の目に見える範囲に入ってきていないというのが現状ではないだろうか。また、ネット上では、ソフトの力を借りてしまえば勝ち進んで強豪になれてしまうというのも一面の事実なので、やはりそういう方が各地で行われる将棋大会に参加して、その棋譜が残り、公開されるということが今後必要になってくるのだと思われる。北京の場合は、北京の強豪の将棋を実際に訪問したプロ棋士が直接見るという形で棋力の確認が毎年行われてきているのが欧米はじめ他国との違いである。
北京では最も古い正月の縁日の一つの龍潭湖廟会には、中国将棋、チェス、碁などをするコーナーが設けられて、中国のプロ選手が現場で指導することで、ファ ンの人気となっている。2003年から日本将棋が加わった。北京で日本将棋の普及活動をしている李民生さんによると、同大会に参加する人の数は毎年増えて おり、北京での日本将棋人口はおよそ8万人に及んでいるという。
この部分を読むと、北京では、シャンチー、チェス、囲碁、将棋を同時に行えるコーナーが春節の期間の龍潭湖廟会に出るとのことであり、将棋以外は中国人のそれぞれの棋士が指導にあたっているようである。日本では、将棋と囲碁が並列に扱われて、シャンチーとチェスとは別格に扱われることが多いが、北京では将棋だけが中国人プロが存在していない競技ということになる。普及という点では将棋はまだ棋類の中でハンディを負っているということになるかもしれない。
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