日本では多分ほとんど話題になっていないが、海外ではセガの「龍が如く」プロデューサの菊池正義氏のインタビューが同ゲームのファンの間でちょっとした話題になっているようだ。セガの「龍が如く」は国内では4までリリースされているが、欧米向けには"Yakuza"というタイトルで、リリースされている。つまり、「龍が如く」が"Yakuza"、「龍が如く2」が"Yakuza2"、「龍が如く3」がといった具合である。最新版の「龍が如く4」は国内では今年の3月にリリースされたが、欧米版の"Yakuza4"は来年の前半にリリースされることになっている。
実は「龍が如く」シリーズの国内版では、ミニゲームとして麻雀と将棋が含まれているのだが、欧米版の"Yakuza"では、"Yakuza2"までは国内版と同じミニゲームが欧米版でもできたのが、"Yakuza3"で麻雀と将棋といくつかほかのゲームがカットされていた。そのことについて、菊池氏のインタビューの回答がちょっとした話題になっている(日本語訳は筆者によ)。
Yakuza 3's release in the West had cut content. Was it difficult to make that decision in order for it to be released?
"It's actually a long story, because the decision to cut content from Yazuka 3was more of a business decision. At the time there was an argument with
Sega internally that in order to make the game more compatible and
appealing to the Western market, we would do better off removing those
mini-games that are hard to understand and heavily rooted in Japanese
culture. We did what we thought would be good for the Western market,
but after the game was released we received a lot of feedback from users
in the complete opposite direction, asking for complete content.
Learning from that experience this time, we've tried to include all
content in the Japanese version you see in the game."
「Yakuza3の欧米におけるリリースではコンテントがカットされていました。カットされたものがリリースされるための決断は困難だったのですか?」
「それは本当に長い話になります。なぜなら、Yakuza3からコンテントをカットするという決断は、ビジネス上の決断を超えたものだったからです。当時、セガ内部で、Yakuza3を欧米市場でより受け入れられ、訴求力を持つようにするには、ということが議論され、我々としては、わかりにくく日本文化に深く根ざしているミニゲームは取り除いたほうがいいだろうということになりました。欧米市場向けによかれと思ってそうしたのでしたが、ゲームがリリースされてから、まったく反対の方向の多くのフィードバック、すなわち、全部のコンテントを入れてくれという声をいただきました。その経験から学んで、今回は日本国内向け「龍が如く4」のすべてのコンテントを盛り込むように努めました。
Did you anticipate that negative feedback, and are you pleased that Western players want the Japanese content?
"We
were pleased to hear that feedback but we were not really anticipating
that. It was a big surprise for us. I'm definitely pleased that people
wanted to see more, but at the same time, I feel sorry for the fans who
were let down by the cut content. This is why we are shifting the gear
back to the original stance to include everything that we can."
「そのようなネガティブな反応があるのは予想していましたか。そして、欧米のプレーヤーからそれらの日本的なコンテントを求められるのはうれしいものですか」
「そういう反応を聞くのはうれしいことでしたが、我々はそういう反応を本当に予想はしていませんでした。たいへん大きな驚きでした。私は、もちろん彼らがもっと見たいというのを喜んでいます、が、同時に、コンテントをカットしたことでがっかりしたファンがいることにすまないという気持ちも持ち合わせています。こういうわけで、我々としては、ギアを入れなおしてできるだけ全部を盛り込むという当初の姿勢に戻りつつあります」
菊池氏の回答は、まだ一般的な姿勢に終始しており、具体的に麻雀や将棋が"Yakuza4"で復活すると答えているわけではないが、筆者としては将棋のYakuza4での復活を切に願いたい。麻雀と将棋が含まれていた"Yakuza2" は米国市場で4万コピーが2009年7月30日の段階で少なくとも売れていたようだ。
Meanwhile, the Examiner
reports that a US release has been ruled out by SEGA. Only 40,000
copies of the second game were sold over there, and the first one didn't
do much better.
来年の早くに発売されるとされる"Yakuza4"の販売ベースが"Yakuza2"と同じと仮定すると、北米だけで数万のユーザーが購入するゲームに将棋が復活するか否かは将棋の海外伝播という観点からは大きなことといわざるを得ない。「できるだけ全部を盛り込む」というのが将棋を含むものであることを期待したい。
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