先日のエントリー、チビジャパンエキスポで将棋の展示が予定されているのコメント欄で、こちら葛飾区亀有公園前派出所の156巻が将棋を扱っているとの指摘があった。
調べてみると、アニメでは、第354話に「壮絶!バトル将棋」というのが2004年度に放送されている。(参照 こち亀アニメリスト2004年度)。動画共有サイトで内容は確認できた。
Wikipedia のこちら葛飾区亀有公園前派出所の項目によれば
コミックスは中国語版や韓国語版が出ている。中国語でのタイトルは「烏龍派出所」。テレビアニメ版はポルトガルやインド、スペイン、フランス、台湾などで放送されている
とあるので、第354話を海外で日本人以外の方が見たことがある可能性はある。
また、コミックスでは156巻だけではなくと157巻で続けて将棋が扱われているようだ。こち亀データベースの第156巻~157巻によれば、156巻には、「ハガキ将棋対決の巻」「新年初将棋の巻」の2エピソードが、157巻には、「回り将棋の巻」というエピソードが所収されている。Wikipedia に従えば、中国語版や韓国語版が出ているらしいので、これも海外で読まれているだろう。フランスの友人には伝えてあげようと思う。
直接将棋とは関係ないが、マンガ、アニメの海外伝播絡みで、非常に面白い遠藤誉氏の連載が9月12日から日経ビジネスオンラインで始まっている(原則的に毎週水曜に更新)。興味がある方はお読みいただければと思う。以下のページに連載各回へのリンクがまとまっている。
上記の 9/12 の連載第一回目「中国清華大学の「日本アニメ研」が愛される理由」という原稿の最初に書かれている著者の自己紹介が凄いとしかいいようがないので一部引用する。
(一部略)私はその時長春を脱出して北朝鮮との国境に近い延吉にいたのですが、1950年6月から朝鮮戦争が始まったため、その年の暮れに万里の長城を越えて天津に行き、天津で小学校に上がりました。中国人ばかりの小学校です。小学校では「日本鬼子!」とか「日本狗!」(いずれも「日本の鬼畜生!」という意味)と罵倒され、石を投げられ唾を吐きかけられて、自殺を試みたこともありますが、「悪いのは一部の軍国主義者だ」という担任の先生の言葉に救われ、その後はしっかり「毛澤東思想」の教育を受けて、1953年9月に日本に帰国して参りました。
その後、理論物理の研究に没頭していたのですが、1983年頃から中国人留学生が増え始め、私は理論物理の研究を捨てて、中国人留学生の指導をする職場を選ぶことになりました。「自分は決して侵略主義者の子供ではない」ということを、今度は自分が日本にいて中国人と接し、中国人留学生のために貢献することによって、証明したいという心の叫びが、そうさせたのです。既に40を超え、子供も2人いましたが、それでも満たされないほど、小さい頃に受けた心の傷は埋めようもなく疼き続けていたのです。
あれから約二十数年間の年月が流れていきました。
私はいつも大学や大学院に入学する年代の中国人の若者たちと接触してきたことになります。その間、ずうっと、彼等の変化を見てきました。そして、どうにも納得のいかないものにぶつかり始めたのです。
(中略)私は既に60歳を超えていました。このまま仕事を続ければ雑事に追われて何も究明できなくなるという思いと、現場にいるからこそ見えるのではないかということのジレンマに苛まれ、2006年に遂に執筆に専念しようと決意して私立大学の留学生関係のセンター長を辞して、中国の若者の精神文化を解剖する作業に着手したのでした。「ええい、これも現実。しょうがないからトコトン調べてしまえ」と思った次第です。
そこで見えてきたものは、私にとって驚きを禁じえないものばかりでした。日本の動漫が中国を席巻していたことは分かっていたとしても、まさかここまでとは思っていなかったのです。(以下略)
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