10月26日に、公益認定等委員会の第19回会合の議事録が公開された。以下が第19回会合のページ。
議事は、先に資料が公開されていたチェックポイントの「表彰」についてと、「公益目的事業に係る収入と費用の関係について」。
「表彰」についての議論を読んだ限りでは、大山康晴賞は、各方面で将棋の普及・文化振興に長年にわたり多大に貢献をした方を表彰するので、公益目的事業になる可能性が高いと筆者は感じたが、将棋大賞の方は、受賞対象者が、ほぼプロ棋士に限られており、特定多数を対象としているように思われるので、公益目的事業とみなされない可能性が高いように思った。
また、10月6日のエントリーで「競技会の開催もこの「表彰」に含まれるのではないか、という疑問がある」と書いたが、今回の議事録の3頁に「今後のチェックポイントの検討の中で、個人あるいは団体の勝敗あるいは優劣が明らかになる競技、たとえば国民大会とかそういったものについても、別途チェックポイントを検討するということを考えてございます。若干類似分野でございますので、念のため申し上げておきます」と公益認定等委員会事務局からの発言があるので、 棋戦の開催は、そちらのチェックポイントが公益目的事業にあたるか否かの判断の道筋となり、今回の「表彰」チェックポイントには該当しないことが明らかになった。
「公益目的事業に係る収入と費用の関係について」では、翌年度以降に繰り越せる「特定費用準備金」について議論のほとんどが集中している。この議題については、委員会の意見を踏まえて事務局で再検討し、報告することとなっており、最終結論は出ていない。
takadoriさん、はじめまして。
「不特定多数」の解釈についてのブログを始めたものです。
公益性の構造転換~パブリック・ベネフィット研究所 http://77714969.at.webry.info/
「将棋大賞」というものの詳細は存じ上げないのですが、まず何より大事なのは、その事業の目的が公益法人認定法別表のどれかに当てはまっているかどうか、です。
それに当てはまっていれば、その目的に照らして、合理的な方法で対象者を絞り込んでいるのであれば、「公益」=「一般公衆の利益」=「不特定多数の者の利益」になると胸を張って申請すれば良いと言えます。
なお、「多数」「少数」は関係ない、特定か不特定かを見るのだ、という見解を今では委員会・事務局も採用していますので、ご注意ください。
http://www.cao.go.jp/picc/soshiki/iinkai/016/siryou1.pdf
私も具体例に則して自分の理論を鍛えていきたいと思っていますので、意見交換をさせていっていただければ幸いです。ではでは。
投稿情報: ルル | 2007年11 月 5日 (月) 17:59
> ルルさま
はじめまして。「不特定」の一点でブログ開始ですか。凄いですね。
「将棋大賞」についての道筋はそうですね。特定か不特定が問われることになるのだと思います。ただ、成文法上「多数」という文言があるので、文章上使わざるを得なかったという面はあります。
投稿情報: takodori | 2007年11 月 6日 (火) 19:05
ルルです。
いま私が気になっているのは、公益性の認定にあたって、受益者の限定方法の合理性の問題が、会員かどうかの問題に還元されるケースです。
具体的に言いますと、たとえば将棋大賞の候補の範囲を棋士に限定することには合理性があるとする。
次の段階として、棋士が全員、その法人の会員になっているならいいのですが、そうでなかった場合。会員であるかないかに関わらず、棋士すべてが候補になるのなら問題ないと思うのですが、会員だけに限定することの合理性を説明できるか、ということです。
これからは許可主義から自由設立主義、公益認定にも1地域1団体原則はなくなりますので、同趣旨の団体が複数併存することも考えられますし。
なるべく「共益」型のものを最大限、公益に押し込む理論を追求しているのですが、すべてを押し込むのは無理そうです。
将棋大賞のことをよく存じ上げないまま書いてしまいました。もし的外れでしたらお許しください。
投稿情報: ルル | 2007年11 月 8日 (木) 22:46
>ルル様
将棋大賞は、ルル様の用語でいえば、「共益」型の表彰制度、ということになるのかなと思います。「共益」型のものを最大限、公益に押し込むということを、公益認定等委員会が考えているのかどうかは、結構大きそうですね。
投稿情報: takodori | 2007年11 月10日 (土) 22:41
takadoriさま
公益と共益の関係についての記事を書きました。
http://77714969.at.webry.info/200711/article_7.html
委員会・事務局の使っている用語では、「特定多数」と言っているときが共益をイメージしているときなのではないかと思います。
これに対して委員会・事務局が考えている公益性の要件は「不特定」で、その内容は、受益対象の選び方の理由を社会に向けて説明可能なものということを考えているようですね。このことによって、共益型のうち一部は公益として認定される可能性が拓けるように思います。
投稿情報: ルル | 2007年11 月14日 (水) 01:09
> ルル様
御説に留意しながら、委員会の会合内容を見ていこうと思います。
投稿情報: takodori | 2007年11 月14日 (水) 08:10