昨日日本将棋連盟は新役員人事を発表した。
公益社団法人となった日本将棋連盟には、今期から棋士以外の外部役員が何人か就任している。その中で筆者の目をひいたのは囲碁界から国際的な普及に尽力をしてきた小林千寿氏とサッカー界から川淵三郎氏が非常勤理事に就任したことだ。川淵氏については改めてエントリーを別に起こすつもりだが本稿では小林氏について詳しく触れたい。外部理事がどれだけ日本将棋連盟の決定や運営に影響力があるのかどうかは未知数だが、将棋の海外伝播を観察している立場としては、二人で交互に着手する完全情報伝統ボードゲームという点で将棋と共通する囲碁界から国際的普及に力を注いできた方が役員に就任するというのは決して小さくないニュースであると考えている。小林氏のプロフィールについて、日本棋院とWikipediaにリンクしておく。
高校卒業後に日本棋院から普及のためにヨーロッパに派遣され、次いで21歳でヨーロッパに3ヶ月、アメリカに半年滞在するなどして英語を覚え、囲碁普及に尽力。ヨーロッパの才能のある子供の日本留学の支援に功績があり、ハンス・ピーチ六段もその一人。活動を支援する組織千寿会も結成されている。2007年には文化庁文化交流使の指名を受ける。
小林氏は2009年の4月から「千寿の碁紀行」というブログを始めており、囲碁の国際的普及に関する実地の海外滞在に基づく貴重な記述が多い。将棋界も大いに示唆を受けられるだろう。
文化庁の文化交流使を無事終え、日本へ向かってます!!!
このブログで世界の囲碁事情、世界で見た面白いことをお伝えしたいと
思います。
いくつか特に目に付いたものを時系列を追って拾ってみる。拾うのはごく一部なので、興味のある方は上記の記事一覧のリンクからすべてに目を通されることをおすすめする。
セーヌ川のほとり、エッフェルタワーの並びにあるガラス張りのモダンな建物。
それがパリ日本文化会館です。
そこに囲碁講座を開設したのが10年前、今現在も毎週土曜日の午後に囲碁講座が行われています。
機内の映画で偶然『ザ・バンク』の中に碁を見つけました。
(クライヴ・オーウェル主演)
悪役側のインテリジェンスな親子が碁を打ちながら作戦を
碁を打ちながら『禅問答』的に会話するシーンでした。
盤上の石がきちんと置かれていたので、関係者に碁を打つ人が
いたことが確かです。
碁は今、世界で広がってきていますが、各国の受け入れ体制は、まだまだで
す。それと、この数年は、中国のプロ棋士、元院生、韓国の元院生が大きな都市
に、1人2人滞在する時代になりました。
その環境の中で、日本文化としての碁をアピールしていくのは、昔のような方
法では時代に合わなくなってきています。
でも、世界の若者達は日本マンガ、日本文化に憧れていてくれる人が沢山いま
す。35年前から囲碁普及に携わっていますが、今ほど、碁を広めやすい時代は
ないと思います。
碁が単なるゲームとして世界に広まるか、それとも、日本が長年育ててきた 『棋道』が受け入れられるか、碁ならば『勝負どころ』だと思っています。
毎年、イースターの休みの頃にスイスのローザンヌで日本マンガフェステバルが開催されます。その中に碁の部屋があります。
来場者の12%がこの碁の部屋で碁を打っていきます。
因みに昨年度の来場者は2日間で16000人。
これって、すごいことではないですか?
先日、スイスからパリまで私を訪ねてくたプレイヤーがいます。
武宮9段とのマスターコースで『やっと、あるべき姿の碁に出会えた』
と言って下さってる方です。こんな風に言われると嬉しい限りです。
勝敗だけに拘って、本来の碁の素晴らしさを見過ごしてしまいがちなプレイヤーたちの中で碁の精神性・芸術性を模索してくれている人もいるのだと感激しました。
最近は物価の高い日本より、韓国、中国の囲碁留学生が増えています。
受け入れ態勢も組織的で、日本が遅れをとっていることが残念です。
今日から2年間、日本棋院の常務理事(海外室・出版担当)に就任しました。
新人理事として、これから多くのこと学ぶ忙しい日々が待っています。
最近、iPad を購入しました。
その便利さにハマっています。
そして、碁のアプリケーションを入れてみて、これは『碁にピッタリ!!!』
碁盤の大きさ(拡大あり)もいい感じです。
ところが20年を経てプレイヤー達はインターネット対局が主流になり囲碁クラブで碁を打たなくなり、囲碁センターの役割の見直しが必要となってきています。
iPad で週刊碁の配信が3月28日から配信されましたが、見られましたか?
震災の為に世界で日本だけがiPad2 の発売が延期になったことは本当に残念です。
(iPad があれば、被災されたお子さん達にも、本当に役に立つのにと思うのですが)
週刊碁のアプリをダウンロードされた方々のデータを見ると、本当に世界的です。
電子書籍は世界の碁を益々、国際的にしてくれそうです。
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