5/14のエントリー、6/21 のエントリー後、ずいぶん時間が経ってしまったが、画像、映像での玉と王についてまとめてみる。
NHK杯 - 実際の盤面は王と玉の双方がある駒を用いる。解説用の大盤は双玉。
銀河戦(囲碁将棋チャンネル) - 実際の盤面、解説用の大盤とも王と玉の双方がある駒を用いる。実際の盤面で先手が王、後手が玉を使っている場合は、解説用大盤もそれにならっていて、先手が玉、後手が王、と決まっているわけではない。しかし、ウェブでは双玉になっている。(銀河戦の棋譜のページ)。
第19期竜王戦中継サイト - 図面は双玉。ただ、棋譜再現の方は王将と玉将の双方が使われていて、玉将が先手、王将が後手となっているようだ。従って、第18期竜王戦第2局、第4局では、先手の渡辺竜王が玉将を使っているように見えてしまう。この現象は第19期になっても続いていて、例えば 8/14 の丸山九段対畠山鎮七段戦をクリックすると、1組優勝でA級の丸山九段が、1組5位で順位戦でもクラスが下の畠山七段に対して玉将を使っているような棋譜再現の画像が現れる。
産経将棋Web - 棋譜再現は王将と玉将が使われていて、玉将が先手、王将が後手ときまっているようだ。従って、第77期棋聖戦第2局では、棋聖が玉将、挑戦者が王将を使っているように見えてしまう。
将棋王国 - 図面は双玉。棋譜再現は王将と玉将が使われていて、玉将が先手、王将が後手ときまっているようだ。従って、第54期王座戦第2局では、王座が玉将、挑戦者が王将を使っているように見えてしまう。
第47期王位戦 -手順再現は六局とも双王(王将)が使われている。「王位戦」だから王にこだわっているのかもしれない。実際の対局では、第6局の最終の盤面を見ればわかるとおり、先手の王位が王将を、後手の挑戦者が玉将を使っている。
第32期棋王戦 - 第1局の棋譜再現は先手の棋王が玉将、後手の挑戦者が王将を使っているように見える。なお、棋王戦は、中継社によって、棋譜再現で使われているアプリケーションが異なっている。
第24回朝日オープン - 図面は双玉。棋譜再生は王将と玉将が使われていて、玉将が先手、王将が後手ときまっているようだ。従って、第1局と第3局では選手権者が玉将、挑戦者が王将を使っているように見えてしまう。
ビッグローブの将棋ニュースプラス - 世紀の珍プレーの解説用大盤では王将と玉将の二つがある駒が用いられている。9/15 号では、第61期A級順位戦の羽生竜王対藤井九段の対局が紹介されていたが、先手の羽生竜王(当時)側が玉将で解説が行われていた。
新聞紙面、雑誌の図面では双玉で統一が図られているように見えるのに、画像と映像、特にネット上でのこの乱れはどのように考えればよいのであろうか。タイトルホルダーが玉将、挑戦者が王将を使っているようにみえる棋譜再現だけは早急になんとかしてほしいと思う。
海外の将棋ファンが一番プロの将棋に接するのは、ネットの棋譜再現を通じてである。視覚は強い。いくら文字で、玉と王がある場合は上位者が王を使うと説明しても、ネット中継が今のままでは、「先手が玉を使い、後手が王を使う」という誤解は解消しようがないどころか、ますます広がっていくことになる。
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