5月26日のエントリーの「玉将と王将」で、John Fairbairn 氏の著作に、先手が玉将、後手が王将を使う習慣がある、旨の記述があるのを紹介したが、実は、筆者の記憶では、紙の図面で、先手が玉で、後手が王、になっているものがあったような気がして、ずっと気になっていた。そこで図書館に行って調べてみた。その結果を報告する。
まず、今の新聞棋戦はどこも双玉のようだ。読売、毎日、日経、産経、東京、朝日など、どの新聞棋戦も双玉の図面を使っている。また、専門雑誌類も、将棋世界、近代将棋、NHK将棋講座とも双玉の図面を使っている。やはり、筆者の記憶違いか。
次に、朝日、毎日、読売、日経の縮刷版が図書館にあったので、筆者が新聞を切抜いて将棋の勉強をしていた頃の1976年の縮刷版を書庫から出してもらい、新聞棋戦の図面をチェック。すると、朝日、毎日、日経は今と同じく双玉だったが、読売は先手が玉、後手が王の図面を使っていることがわかった。
当時、読売は竜王戦の前身の十段戦を主催していたので、竜王戦に変わったときに双玉に直したのかと思い、第1期竜王戦の連載が始まった1987年の12月の縮刷版をチェック。だが、ここでも先手が玉、後手が王のままであった。
それでは、読売が現在のように双玉の図面を使うようになったのはいつだったのであろうか。よせばいいのにしらみつぶしに調べたところ、1996年の12月11日、第10期の連載が始まったときであった。観戦記の左脇に小さく「第10期から、後手「王」の表記を図面・手順とも「玉」とします」とだけ記されている。変更の理由は書かれていない。
筆者が子供のころ、実家が取っていた新聞は読売だった。記憶違いでなかったのはちょっと嬉しい。
海外の将棋ファンは、日本の紙媒体よりも、画像や映像で将棋の盤面を見ることが多いと思われる。画像・映像での玉将と王将についても近いうちにまとめたい。
はじめまして。
フランスのジャパン・エキスポ(コミック・マーケットのフランス版みたいなもの)で囲碁が大人気で、アルメ人気で「ヒカルの碁」が2位というのが最近の報道でありました。アニメによる囲碁の普及効果というのはかなりおおきいようです。
将棋のほうは、「月下の棋士」のドラマがありましたが、アニメにしておけば輸出もできたんでしょうねえ。ただ、「ヒカルの碁」にくらべれば子供受けしない分、企画としてもとおりにくかったでしょうけど。
投稿情報: madi | 2006年7 月25日 (火) 08:24
madiさん コメントありがとうございます
フランスのジャパンエキスポでは、今年から将棋の展示、指導が囲碁と隣りあわせでおこなわれたと聞いています。
投稿情報: takodori | 2006年7 月25日 (火) 14:42