NHK将棋講座7月号で、第24回朝日オープン選手権五番勝負第3局について内藤九段が解説を書いているのだか、そのなかで、朝日の担当者にお願いして過去の同一の実戦の棋譜をパソコンで取り出してもらうくだりがある。
その局面は、第3局の35手目の先手が4四歩と取り込んだところで、「すぐに出てきたのが▲森下卓八段▽村山聖八段(段位はいずれも当時)の平成8年A級順位戦。」とあり、その将棋をひとしきり検討した後、次のような感想を述べている。
それにしても、パソコンが将棋の研究にこんなに有力であるとは知らなかった。これで、プロも熱心なアマ強豪もコンピュータも、棋力の差があまりなくなってきた理由がわかる気がした。
率直な感想である。今までパソコンで棋譜の検索などされたことがなかったであろう人の言葉だけに重みがある。正確にいうなら、パソコンが有力というよりは、棋譜のデータベースが将棋の研究に有力ということだと思う。
強豪かどうかはおくとして、熱心さなら日本人に引けをとらない海外の将棋ファンは多い。もし、パソコンで棋譜を検索できることが21世紀における棋力向上の必要条件であるならば、そのようなデータには、日本人だけでなく、世界の人がアクセスできるようになるべきだと考える。
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