複数の媒体で、日本将棋連盟が、毎日に対し、名人戦の契約の更新をしないことを通告し、朝日が名人戦主催の提案を日本将棋連盟に申し入れている件が報じられ、普段、あまり将棋に関しては触れられないブログでも、相当に話題として取り上げられている。ネットの時代に新聞社のあり方はどうなるのか、は、多くのネットユーザーが関心を持っているところなので、本件は格好の入り口を提供したことになり、将棋についてあまり書いてこなかったブロガーの執筆意欲を刺激しているのだろう。
朝日は朝日オープンの廃止も提案しているようだ。仮に、名人戦が朝日に移り、朝日オープンが廃止され、毎日が新たなプロ棋戦を主催しないと仮定すると、順位戦にプロ棋士以外が参加するというのはほとんどありえないので、従来、朝日オープンで行われていた、アマチュア10人、および、女流棋士の公式戦参加枠が無くなることになる(朝日の提案にあるとされる特別臨時棋戦の4000万円の内容は不明なので、ここでは無視する)。
そうすると、5月26日の棋士総会で行われようとしていることは、瀬川問題に端を発するアマチュア、女流棋士が奨励会を経ずにプロ棋士になれる道の制度化と、アマチュア、女流棋士がプロ棋士と公式戦を戦う機会を減少させること、の二点の表決ということになる。つまり、プロになれる門戸は広げますが、そのかわり、プロ編入試験資格者の判断基準のひとつになるとされている、アマ対プロ、女流対プロの対局機会は減らしますよ、ということが議題になるのである。
海外の将棋ファンには、奨励会を経ないプロ棋士への道が制度化されることについては、将来、海外からプロ棋士が生まれる道(かなり狭き門だが)が開かれるとして、歓迎する意見がある。まだ、朝日の特別臨時棋戦の内容は今のところ定かではないが、アマ対プロ、女流対プロの公式戦の機会が減らないような手立てはないのだろうか。国内の一般の将棋ファンも、その減少は望んでいないと思うのだがどうだろう。
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