プロ棋戦のネット中継でよく使われる、Kifu for Java と Kifu for Flash だが、先手後手のどちらが玉をもつかの指定ができるようになったようだ。
棋譜再現・中継アプレット Kifu for Java
【V2.26からV2.30の改良点】
- 投了等の表示を変更
- 残り時間が少なくなったら、色を変える
- 終局時の特殊処理
自動更新ありで、アプレット起動時に棋譜を読み込んだとき、終局していたら、開始局面を表示し、自動更新もなしにする。
- 盤・駒台の無地の色を変更
- 玉指定を可能に
棋譜再現・中継Flash アプリケーション Kifu for Flash
【V1.05からV1.06の改良点】
- 玉の指定を変更
- 持ち駒が完全に表示されない場合があったバグの修正。
最近のネット中継は、Kifu for Flash が主で、Kifu for Java も併用する形で行なわれていることが多くなっている。Kifu for Flash の V1.06以降、Kifu for Java の V.2.30以降が使われているネット中継ならば、上位者が先手の場合、両方の中継画面で揃って玉の指定を下位者の後手にすることができるようになったことになる。
朝日杯将棋オープンでは、Kifu for Java の V1.06以降と Kifu for Java のV2.30以降がともに使われてネット中継されたのは、8月15日の安用寺五段対中川アマ戦が最初である。ここでは、上記の機能は使われなかったのか、上位者である先手の安用寺五段が玉を使っている画面になっている。これは、実際の対局では逆であっただろうと思う。
Kifu for Flash(V1.06) | Kifu for Java(V2.34) (安用寺五段 vs 中川アマ)
竜王戦では、8月13日の羽生四冠対深浦王位戦から玉の指定ができるバージョンを使って中継がされるようになっているが、13日も本日の羽生四冠対丸山九段戦も、上位者の羽生四冠が後手になっているので、問題は起きていない。本日の勝者と、木村八段との挑戦者決定3番勝負で、必ず上位者が先手のケースが発生するので、その際に、上記のバージョンアップで可能になった機能を用いて、玉と王の表示が実際の対局と同様になるのかどうか、筆者としては注目している。
Kifu for Flash(V1.06) | Kifu for Java(V2.34)
LPSA の昨日の 1 day トーナメントでは、中継画面の Kifu for Flash は、V1.04 が使われており、玉の指定ができるようになる前のバージョンであった。LPSA のネット中継でも、Kifu for Flash の V1.06 以降を使い始めたときに、上位者が先手のときの中継画面で、玉の指定が実際の対局と同じになるのかどうか、これも注目である。
海外では、John Fairbairn 氏の著書 "Shogi for Beginners" で先手番が玉を持つという記述がされたために、どちらが玉を持つのか誤解をしている人が多い。その誤解を解いていくためにも、プロの将棋のネット中継画面で、実際に対局者の使ったとおりに玉と王が表示されることが必要だと筆者は考えている。ネット中継用のソフトのバージョンアップで可能になった機能をぜひとも活かしていってほしいと思う。
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