昨日行われた王将戦第五局は、「入玉」の熱戦であった。
スポニチ紙面の記事の両対局者のコメントを一部引用してみる(太字による強調は筆者による)。
入王の仕方が難しく(佐藤棋聖)
こちらが入王するまでは時間がかかるので(羽生王将)
ネットサイト Sponichi Annex ではどうか。佐藤残った!2勝目のページでは以下のような表現が見られる。
入王を果たして、羽生の攻めを振り切ろうとする佐藤。
自王も入王して「持将棋」に持ち込む、という作戦もよぎったに違いない。
これに対して羽生は4四の地点に移動(60手目)させていた角と68手目に7三に跳ね出していた桂馬を連動させてしゃにむに佐藤の王頭を脅かす。
羽生は佐藤王を丸裸にして追いつめるが、
見事なまでに「王将」にこだわっている。「玉」「玉将」の文字は記事中に駒の名前としては出てこない。棋譜も王を用い、図面も双王になっている。これは紙面もネット上も同じ。
対して、毎日インタラクティブではどうかというと、第56期王将戦 佐藤、207手カド番しのぐ--第5局を見てお分かりの通り、図面は双玉だし、「王手」以外の用語はずべて「王」ではなく「玉」で統一されている。
両紙はともに王将戦を主催する立場であり、この言葉の使い方の違いは面白い。王将や棋聖は実際にはコメントの際「ニュウオウイリオウ」ではなく「ニュウギョク」と発したのだとは思うが、筆者としてはスポニチの用語の使い方に主催者としての矜持を感じるのである。
ただ、対局者が使う駒は双王なのだろうか。使われる駒の字がはっきりわかる盤面の写真を次局からは載せてほしいなと思う。
(daichan さんの指摘により、「ニュウオウ」を「イリオウ」に改めました。)
全く知りませんでした。たしかにこれはすごいこだわりですね。もっとも、入王(いりおう)はともかく王頭は、用語としては聞いたことがないですが。
双玉の駒なら、連盟の対局で使う駒の中にはいくつかあるのですが、双王というのは見たことも聞いたこともないですね。駒は基本的に主催新聞社が用意するものではないですから、双王ではないでしょう。
ところで、そもそも双王の駒っていうのは存在するんでしょうか?
投稿情報: daichan | 2007年2 月17日 (土) 17:28
> daichan さん コメントありがとうございます。
そうか、イリオウと読むのですね。お恥ずかしい。
双王の駒については、将棋パイナップルの『玉と王はどちらが「正しい」のか?』の6番に王位戦で使ってもらったという記事があります。
http://shogi-pineapple.com/bbs/mibbs.cgi?mo=p&fo=cls&tn=0023
投稿情報: takodori | 2007年2 月17日 (土) 18:16
なるほど、双王はあるけどキズものなんですね(笑)タイトル戦で使われたこともあるなんて、全く知りませんでした。
たしか何かの将棋雑誌で
入王に なりて見物 碁にたかり
という古川柳があると読んだ記憶があります。間違ってたらすみません。
投稿情報: daichan | 2007年2 月17日 (土) 21:12
なるほど、双王はあるけどキズものなんですね(笑)タイトル戦で使われたこともあるなんて、全く知りませんでした。
たしか何かの将棋雑誌で
入王に なりて見物 碁にたかり
という古川柳があると読んだ記憶があります。間違ってたらすみません。
投稿情報: daichan | 2007年2 月17日 (土) 21:12