10月の13日からアニメ「しおんの王」が始まっている(公式サイトはこちら)。日本国内でも、東海テレビのカバーしている地域など放送開始がずれているのでまだ見られない地域がある一方で、第1話を見たらしい英語で書かれたレビューが相当数ネットに上がっている。英語のレビューは「ヒカルの碁」と比較したものが多い。
「ヒカルの碁は、囲碁を学習させるために作られた作品で、ルールの説明とかがあったが、しおんの王は、そういう目的はなく、将棋のルールの説明はない」「ミステリーとしての面白さはある。ただ、将棋のルールがわからないので、勝負のシーンが退屈」「将棋を知らないので面白いか心配したが、期待以上、第2話も見てみたい」など、多種多様である。
それぞれのレビューにひとつひとつリンクをつけて紹介する時間的な余裕はないが、筆者が、「おお、これは」と思ったものをひとつふたつご紹介したい。
上記では、「原作のマンガは、漫画は Ando Jiro、原作は Katori Masaru のコラボでできたものである」という紹介がされているが、その Katori Masaru が英語版の Wikipedia の項目ににリンクがされている。リンクをたどってみると、Naoko Hayashiba という項目だった。Wikipedia の英語版にこの項目があることに、ちょっと驚いた。彼女がかつて女流棋士のトップを張っていたことが説明文にないのが少し寂しいが、いずれ誰かが加えてくれるだろう。
上記では、Wikipedia の shogi の項目に加えて、オランダの Hans Geuns 氏が1995年に作成した将棋の日英語彙集 Hans Geuns' Basic Shogi Vocabulary へのリンクがあって、このアニメをみて、将棋に興味をもった方がさらに将棋について知ることができるようになっている。
惜しいのは、上記の方のリンク先に、日本将棋連盟が含まれないことである。想像だが、「ヒカルの碁」について書かれた外国語のエントリーは、相当数が英語の日本棋院のトップページへリンクしているものと思う。将棋界には確かに追い風が吹いている。ただ、その利用の仕方が甘すぎるどころか、普及を最重要課題のひとつに掲げている団体に、追い風が吹いていることすら感じることができない者が多いらしいことを歯痒く思っているのは筆者だけなのであろうか。
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