ちょっと古めのネタだが、オンラインゲーム業界の雄であるハンゲーム社長千氏のインタビュー記事が日経のデジタルARENAに載っている。
インタビューは上記のページから始まり、都合6ページ。社長の言葉から「将棋」が含まれる部分や、気になったところを抜書きしてみる。
――ただ、日本的な感覚を反映させたゲームは、韓国や米国などへグローバル展開する際に不利になるのではないのでしょうか?
千社長:もちろんそういう可能性はあります。ですが、アニメや漫画などの日本発のコンテンツは、世界各国に受け入れられていますよね。これらのコンテンツの中には日本人の優しさや世界観が色濃く反映されています。決して中身を欧米などの感性に合わせたわけではありません。ゲームも同様に、中身を作る際には、やはり日本的な感覚を大事にすべきだと思うのです。(1/6より)
やはりオンラインゲームはコミュニティーのつながりが重視されますので、コミュニティーの知り合いからゲームに誘ったり、誘われたりすることが多いようですね。「ミニメール」というメール機能で、土曜日の何時にどのゲームで待ち合わせしよう、なんてことも日常的にあります。我々もゲームポータルとして、ユーザー同士がつながっていくという“場”を、きちんとサポートしていくことが使命だと思っています。(3/6より)
このほかに、パチンコやトランプゲーム、将棋や麻雀などのカジュアルゲームは国内で開発しています。これら定番ですが深みのあるものは、もっともっと伸ばしていきたいと思っています。(4/6より)
■団塊の世代こそゲーム・コミュニティーが必要だ
――潜在ユーザーとしてシニア層もターゲットにしていくのでしょうか。
千社長:シニア向けは非常に難しいビジネスだと思いますが、ぜひやっていきたいと思っています。これから団塊の世代の大量退職時代が本格化するわけですが、この世代に囲碁や将棋などのカジュアルゲームの楽しみを伝えていければ、面白い展開が見えてきそうです。(6/6より)
将棋は日本的なゲームであるとおもうが、アニメ・漫画のような日本発のコンテンツと同様に世界各国で受け入れられる可能性があるであろうか。千社長は、将棋等については「定番ですが深みのあるものは、もっともっと伸ばしていきたい」と語っている。伸ばしていきたい、というのはプレーする人数なのか、アバターなどによる売り上げのなのか、どちらか判然としないが、とにかく、将棋は「深みのあるもの」という認識なのはほっとさせるものがある。
今後は、難しいながらも、シニア層にカジュアルゲームの楽しさ伝えていくという。ハンゲームなどで、オンラインゲームに親しむシニア層が増えれば、その中には、外国語を生かしたキャリアをお持ちの方もいるであろう。そのような方々が、海外に向かって将棋の楽しさを伝えることに興味を持ってくれるようになることを期待している。
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