固定観念とはおそろしいもので、筆者は、四段になった者しか日本将棋連盟の会員にはなれないとばかり長年思い込んでいた。ところが、それは定款上は要請されていないことを知った。第6章の第33条が会員の資格に関する規定である。
第33条 本連盟の目的に賛同するもので、理事会が入会を承認したものを会員とする。会員は入会費を拠出するものとし、本連盟の総会に出席する権利を有し、本連盟の運営につき意見を述べその刊行物の配布を受けると共に、施設を利用し本連盟の催しに参加することができる。
この文言からすると資格要件は「目的への賛同」「理事会の承認」「入会費の拠出」の3点。この三つがあれば、誰であろうと会員になれるということが定款には書かれている。では、賛同すべき目的はなにかというと、第2章の第3条がその規定である。
第 3 条 本連盟は日本将棋の普及発展を図り、我が国の文化の向上に資するとともに、日本将棋を通じて諸外国との交流親善を図り、もって人類文化の向上発展に寄与することを目的とする。
この目的に賛同できる人は、四段になったことがない人にもたくさんいるのではないかと思われる。そういう人は「理事会の承認」「入会費の拠出」があれば会員になることができ、議決権はじめ定款に規定されているもろもろの権利が与えられることになる。現実的には「理事会の承認」があれば誰でも会員になれると筆者には理解できる。
第5章の第22条には理事会について以下の規定がある。
第22条 理事会は現在理事数の過半数の出席がなければ開会することができない。理事会の議事は出席理事の過半数の同意をもって決する。可否同数の場合は議長の決するところによる。
要するに、理事会の過半数がよしとすれば、四段になっていない者を会員にすることがテクニカルには可能と考えられるのである。たとえば、外部の人材に理事を任せることも、まず会員として理事会が承認し、総会で理事として選ばれる形をとれば現在の定款を変更することなくできるのではないか。第33条は結構使い勝手のいい条項と思う。
今年は2007年。理事選の年でもある。
もともと将棋連盟は社団法人なので、普及や文化への貢献が存在理由であって、棋戦のコーディネートが一義でないということがはっきりしましたね。
名人戦騒ぎにしろ女流の独立問題にしろ、ご指摘の定款を見るとなおさら今の連盟理事会にはげんなりしてしまいます。
投稿情報: TJ | 2007年3 月13日 (火) 22:26
自らのの所属する組織の定款がどんなものか、組織が存在している目的はいったい何なのか、など、会員の方は今一度かみしめてほしいなと思います。
投稿情報: takodori | 2007年3 月16日 (金) 01:47