筆者は現在はほとんどリンク集やブラウザのお気に入り、Bookmark 機能は使わない。よく使うページであっても大抵 Google で「日本将棋連盟」「竜王戦」などと検索して行くのが癖になっている。時間の無駄のようだが、やめられない理由もある。ブラウザ画面の右側に出てくる広告に思わぬ発見をすることがあるからだ。
本日、羽生三冠x谷川九段戦の銀河戦の棋譜が既に囲碁将棋チャンネルのウェブに載っているかと思って、 「銀河戦」というキーワードで検索をかけた。すると、「将棋講座をダウンロード」という広告が右側に現れたので、何だろうと思ってクリックして更に調べてみた。
クリックすると、ダウンロード・アリーナという「お気に入りの映像を、あなたのプライベートコレクションに」というコピーが付された、映像コンテンツダウンロード販売サイトであった。囲碁・将棋に特化したディレクトリーもあり、「鈴木大介の将棋講座1~4」「豊川孝弘の将棋講座1~4」「中川大介の将棋講座1~4」が現在販売されている。いずれも囲碁将棋チャンネルで放映されたコンテンツである。
ダウンロード・アリーナの運営会社は、クラビット(株)といい、ヘラクレス上場会社である。
同社のトップのメッセージで気になったところ。
現在、私たちはコンテンツ流通に関して新たな事業を開始しています。ひとつは、オンデマンドで手軽にゲームが楽しめる「G-クラスタ」という画期的な技術を用いたゲームオンデマンド事業です。
コンテンツプロバイダからの安定した配信を実現するCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービスです。特にアクセスが集中するライブ配信などでは大きな効果を発揮します
同社のミッションで気になったところ(太字の強調はは筆者による)
国内外における強力なコンテンツ流通ビジネスプレーヤーを目指す
調達コンテンツを世界各国に張り巡らせたコンテンツ配信プラットフォームを通じて流通
ミッションがお題目でなさそうなのは、同社の英語ページが充実していることから十分に窺える。 日本企業としては珍しく、最初から海外への配信がミッションとして書かれ、事業領域として想定されているのが心強い。
同サービスは、ヘラクレス市場への開示情報(PDF file)によれば今年の7月31日から開始されたようだ。それにはこうある。
ダウンロード・アリーナ」は、サイト上で提供される映像コンテンツを、ユーザのパソコンにダウンロードして鑑賞できるサービスで、購入後のコンテンツは追加料金、視聴期限なしで何度でも再生が可能になります。また、専用のソフトウエアは一切必要としません。
コンテンツは、アニメ、グラビアアイドル、落語、演劇などエンターテイメント性の高いものや、鉄道、ダンス、スポーツレッスン、囲碁将棋など趣味・実用系のものが中心で、今後のユーザーニーズに対応しつつ、ジャンルとタイトル数を拡大していきます。
映像資産を保有する権利者にとって、コストメリットが見込まれるダウンロード販売のプラットフォームを提供し、飛躍的に拡大させることで、コンテンツ流通の革新を目指します。
将棋の外国語コンテンツの流通の役割を果たすのは、このような企業かもしれない。
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