名人戦問題で頭の中からすっかりと抜けていたが、将棋界にとって重要かもしれないマスコミ関連の動きに、NHK改革の動きがある。総務省のページから重要文書を拾い、気になる部分を抜き出してみる。
通信・放送の在り方に関する政府与党合意(2006.6.20)
・ 保有チャンネル(8波)の削減については、難視聴解消のためのチャンネル以外の衛星放送を対象に、削減後のチャンネルがこれまで以上に有効活用されるよう、十分詰めた検討を行う。
・ NHK本体について、子会社全体の整理・統合を図ることを前提として、 - 音楽・芸能・スポーツ等の制作部門の一部を本体から分離して、関連子会社と一体化した上で、新たな子会社とすることを検討する.
・ 番組アーカイブについて、ブロードバンドを通じて有料で公開することを可能とするため、必要な対応を行う。
・ 新たに外国人向けの映像による国際放送を早期に開始する。その際、新たに子会社を設立し、民間の出資等を積極的に受け入れるとともに、必要な国費を投入する。
通信・放送分野の改革に関する工程プログラムについて(PDF,2006.9.1)
(2)保有チャンネル数の削減 チャンネルの有効活用について検討会を設置し(本年9月)、その報告を踏まえ、電波監理審議会への諮問・答申を経て、必要な制度整備等を行い、2011年までにチャンネルを再編成する。
(3)NHK本体の見直し 子会社全体の整理・統合、音楽・芸能・スポーツ等制作部門の一部分離、伝送部門の会計峻別等について、NHKとの間で協議を開始し(本年9月)、その結果を踏まえ、2007年以降早期に実施する。 番組アーカイブに係る対応について、所要の法案を次期通常国会に提出する。法案成立後、必要な制度整備等を実施し、2008年から開始する。
(4)国際放送の強化 新たな国際放送の在り方等について情報通信審議会で所要の検討を開始し(本年8月1日に諮問済)、その結果を踏まえ、所要の法案を次期通常国会に提出する。法案成立後、2009年度から新たな組織による放送の開始を目指す。なお、それまでの間は、NHKの国際放送の充実を図る。 平成19年度予算要求においてNHKの国際放送充実のための措置を講ずる。
NHKの保有チャンネル数の在り方に関する検討会の開催(2006.9.25)
チャンネルごとの視聴実態や国民の視聴ニーズの動向、
NHK のチャンネル別のコストやチャンネル別の削減による影響度の試算など、NHK の保有チャンネルの在り方を検討するための基礎的事実等の把握のため、来る9月29日(金)から、総務省及びNHK の実務担当者に公認会計士を加えた第1次検討会を開催し、検討を開始することとしました。
今後、本検討会において一定の基礎的事実等の把握ができたと考えられる段階で、NHK の保有チャンネルの在り方についての検討を深めるため、外部の有識者にも御参加いただいた研究会を別途開催する予定
簡単にいうと、将棋界にとってマイナスかもしれない動きが、チャンネル数の削減と娯楽番組制作の子会社化(採算重視となるだろう)。チャンネルが減れば、将棋番組の数、時間が減らされる可能性があるし、採算重視となれば、相対的に視聴率の低い番組は切られてしまうことが十分に考えられる。将棋界はこのことにどれだけ危機感を持っているだろうか。反対に、プラスにできるかもしれない動きが、番組アーカイブと映像による国際放送。
NHKが保有する豊富な映像将棋コンテンツに外国語の字幕・吹替えがつき、国際放送されるようになれば、将棋の海外普及にとって役立つことは間違いない。もし、将棋の世界普及が将棋界のミッションであるならば(筆者はそう信じるものであるが)、国際放送の番組ラインアップに将棋コンテンツを含ませることは、将棋界として是非とも追求すべき重要課題のひとつであることを指摘したい。
追記:関連資料をさらに見つけたのでリンクを追加しておきます。
通信・放送の在り方に関する懇談会最終報告(PDF, 2006.6.6)
改革提案に関するNHK見解(2006.6.20)
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