日本将棋連盟が22日付で以下のレポートを発表した。
フランスのエリート機関である各グランゼコールが、学生に課した企業研修に先だって設けられた日本語研修・日本文化体験の一貫としての将棋体験教室の第1回が、7月21日東京・将棋会館で行われました。(中略)
これを機会にヨーロッパでも有数の将棋先進国フランスで、より将棋が盛んになることが期待されています。今後は7月29日、8月5日に将棋会館で教室が 開催され、多数のフランス人留学生が訪れる予定で、最終日の8月5日にはフランス将棋協会会長Fabien Osmont氏のミニ講演も行われることになっています。
非常によい試みだと思う。ところで、筆者を含めた多くの日本人は「グランゼコールって何?どの程度のものなの」という疑問があると思う。実は、グランゼコールの日本インターン研修は将棋に限らずこのところ日本のあちこちで行われているらしく、Twitter で検索をかけてみると、いろいろな人がグランゼコール生との交流をつぶやいている。そのなかで、多くの人が参照しているブログが以下である。いくつかの部分を引用する。
ところがどっこい、フランスの学歴社会ぶりってのは、そりゃもう大変なもので、日本を超えるのよ。その原因となっているのがグランゼコール。どこの大学 を出たかはほとんど問題にならないが、「グランゼコールを出たか」「どのグランゼコールを出たのか」は、ほぼ一生を左右するんだな。
たとえば、日産CEOのカルロス・ゴーン。年8億9千万円の給料をもらっていることで話題になったが、彼はグランゼコールの中でも最上位の一つ とされる「エコール・ポリテクニーク」と「パリ国立高等鉱業学校」の出身。卒業後はまずタイヤメーカーのミシュランに就職したんだが、入社3年目の27歳 で工場長、31歳でブラジル・ミシュラン社の社長、35歳で北米子会社の社長になっている。もちろん本人の才能もあるんだが、こういう出世コースをたどれ るのはグランゼコール出ならではだ。
これは極端な例だが、大企業で課長以上の管理職になったり、官公庁に勤めたりしたかったら、グランゼコールを出ているというのは必須の条件なのよ。フツーに大学を出ただけの人が、立ちはだかる壁を打ち破って出生していくのは至難の業だ。そういう能力のある人は、大学を修めてからグランゼコールに入り直す。それくらい両者の格差ははなはだしいんだな。
というわけで、どうやら、グランゼコール生で日本にインターンに来ている学生は、将来何らかの形で日仏関係に大きく関与していく可能性が高いと思われる。そういう有為なフランスの若者が将棋に興味を持ってくれるのは非常に心強いことである。
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