将棋の海外伝播などについてのブログ

Chess.com がビデオを強化するという方針を発表

　やや遅きに失した感もあるが、Chess.com の2/5 付けの運営スタッフからのニュースの中で筆者が重要だと思った点について触れてみたい。

Building Chess.com: Part 14 - The Good, The Bad, and The Ugly - Chess.com

As you know, we're always trying to get better. Our To-Do list is long, and it comes from your suggestions. In addition to the many fixes and small features we are working on, there is one main feature we are now focusing on - instructional videos! There are lots of ways to learn chess (we think Chess Mentor is most effective!), and some people want to sit back and listen to a Grandmaster share insights into the game (I know sometimes I do!). So over the next several months we will be building the viewing technology (which will be the best online anywhere), and getting top players to create videos. Which brings me to my next "GOOD".
（ご承知のとおり、chess.com は常に改善をしていこうと努力をしています。我々のやるべきことのリストは長く、それらは皆様からの提案によるものです。取り組み続けている多くの修繕や小さな機能追加に加えて、chess.com が今集中しているのは、教育的なビデオです。チェスを学ぶ方法にはいろいろあります（Chess.com は Chess Menter 制度が最も効果的だと考えています）が、くつろぎながら、チェスについての洞察を共有するためにグランドマスターのいうことに耳を傾けたいという人もいるでしょう（わたしも、ときどきそうしています）。そこで、これから数ヶ月間をかけて、Chess.com は視聴覚技術を磨き（オンライン上ではベストなものになるでしょう）、トッププレーヤーにビデオを作ってもらおうと思っています）

　要は、グランドマスターかそれに準じるクラスのプレーヤーが出演するチェスの教育的で高品質な（内容的にも映像的にも）ビデオを chess.com で数ヵ月後に見られるようにするという発表である。無料のユーザーがそのビデオを見られるのか、有償のユーザーにかぎられるのかはリンクした発表文にはまだ無い。それは、ビデオが見られるようになるまでに決められるのであろう。

　チェス界では、トッププレーヤーによるチェス講座の高品質なビデオがインターネット上で今年中に見られるようになることがほぼ確実である。果たして将棋界はどうであろうか。HIDETCHI氏のビデオにいつまでも頼っている場合ではないと思うのは筆者だけであろうか。

全米選手権とヨーロッパ選手権の告知へのリンクが将棋倶楽部24の英語トップページに載った

　4/10-12 にサンフランシスコで行われる全米将棋選手権と、7/16-19 にストックホルムで行われるヨーロッパ選手権の告知へのリンクが、将棋倶楽部２４の英語トップページに載った。以下がその部分。

　どのくらい海外の方が将棋倶楽部24で指しているかは筆者にはわからないが、同サイトに英語でアクセスするユーザならば必ず開くページにこの２つの大会の情報へのリンクが載ったことは、効果が高い告知方法だと思う。このページのリンクから、２つの大会に参加する人が出てくることを期待したい。

囲碁将棋チャンネルで昨年の「国際将棋フェスティバルin天童」の特別番組

　囲碁将棋チャンネルで、昨年の11月に天童で開催された「国際将棋フェスティバルin天童」の特別番組が今週末土曜に放映される。同チャンネルを見られる環境の方はぜひみていただきたいと思う。再放送は16日と22日の予定である。

囲碁・将棋チャンネル番組表(2/14) --- 10:00am
囲碁・将棋チャンネル番組表(2/16) --- 2:00pm
囲碁・将棋チャンネル番組表(2/22) --- 10:00pm

「しおんの王」効果の例

　今日、二つ「しおんの王」をきっかけとして、将棋に興味を持った方のエントリーを見つけた。まずはブログの例。

Wonder Woman 1280

The chess that we know is that we have to protect the Queen, but then in Shougi, we have to protect the King.. They have all this moves to begin with.. it is really really interesting... i looked up for it in wikipedia and there is also shougi online...if you guys want to know about it can go to realitylapse.com and find under S for Shion No Oh...

　太字による強調は筆者によるもの。「しおんの王」を見て、Wikipedia の将棋の項目を読み、オンラインで指せる場所があるのを見つけた方のようだ。やはり、最初は Wikipedia を見るんだよなあ。Wikipedia だけでなく何かわからないものを調べるとき、ビデオを検索する習慣はまだまだ無いようだ。そういう習慣がネットユーザーに普通になっていくと、将棋の海外伝播は加速するのだが、、、。

　続いて Twitter の例。

                                           

                                  Twitter / Jack: Reading the manga Shion no ...

Reading the manga Shion no Ou has made me want to take up learning Shougi.

　これだけストレートに「『しおんの王』で、将棋を習いはじめてみたくなった」と書かれると、後の行動はやりやすい。twitter では返事の機能があるので、HIDETCHI 氏の英語のビデオシリーズの How to Play Shogi の Playlist の URL を打つだけである。

                                      

全米選手権は 4/10-12 にサンフランシスコで開催

  NY Shogi Club のトップページで、２００９年の全米将棋選手権の案内が出ているのをみつけた。4/10-12 日にサンフランシスコで開催される予定。プロ棋士も数名訪れるようだ。括弧して"US Amatuer Ryuo Tournament" とあるので、今年はこのトーナメントの勝者がアマ竜王戦に出場するのであろう。

日本語の案内
英語の案内

YouTube にアップされた「レンチキュラー詰将棋」の関連動画

　レンチキュラー詰将棋というものが YouTube に１月３１日にアップされた。

レンチキュラー詰将棋 - 将棋の神様～０と１の世界～

　なかなか実験的な試みだと思う。Chess.com の Video Gallery に "An Experimental Art of Origami Mating Problem" というタイトルをつけて紹介しておいた。Chess.com の Video Gallery は、YouTube にアップされているビデオへリンクする形式だが、そこに紹介しておくと、まあ、少なくとも100 views はだいたい稼げる。「西洋のチェスの世界にも似たようなものがあるか？」という質問もつけておいたが、反応があるだろうか。

　筆者が注目したのは、下に貼り付けたイメージのように、このビデオの関連動画のトップに HIDETCHI 氏の英語の将棋ビデオが並んだことである。なぜ、このようなことが起きたのかを考えると、ビデオをアップした thirdfilerook 氏が、ビデオのタイトルを「レンチキュラー詰将棋　Lenticular shogi mating problem」のように、日本語だけではなく英語交じりのものにしたことと、このビデオに「詰将棋  Shogi mating problem 」とやはり英語交じりのタグ付けをされたことのどちらか一方、または両方が効いたからだと思われる。

　前にも書いたが、将棋のビデオの作成者の方は、YouTube にアップするときに、thirdfilerook 氏のようにタイトルに英語を付したり、タグに shogi などの英単語を付してほしい。それが、YouTube 側が勝手に関連動画を選んで紹介することにつながり、英語による将棋入門から上達までの高速道路へのインターチェンジを作ることに等しい効果を生むのである。

日本発の２４時間ノンストップの英語のテレビ国際放送開始

　NHKワールドTVが２４時間３６５日ノンストップの英語放送を２日より開始した。将棋の海外向け番組がこれによりすぐに始まるわけではないが、多くの将棋関連の番組資産を持っている放送局が主となって、絶えず英語による映像情報発信を開始する意義は大きいと思う。つまり、そのような決定がなされれば、いつでも海外向けの将棋番組のテレビ放送ができる当面のインフラと体制は整ったのであり、今後も拡充されていく模様である。また、字幕をつけたり、吹き替えを施せば海外向けに放送しうる将棋番組ソフトの蓄積は既に膨大にある、ということである。

国際放送「NHKワールドTV」が刷新。放送中番組のネット配信も

番組ではニュースコンテンツが大幅に強化され、毎時0分より最大30分間の英語ニュースを放送する。また、「NHKスペシャル」や「クローズアップ現代」などを2カ国語化した番組も配信していく。

「NHKワールドTV」、番組を英語化

   番組には、ニュース番組の「NEWSLINE」「ASIA 7 DAYS」やビジネス系番組「J-TECH」「JAPAN BIZ CAST」。そのほか、人気の高いドキュメンタリー番組「Professionals / プロフェッショナル　仕事の流儀」などがラインナップされている。

NHKテレビ国際放送が全番組を英語化
世界標準・アジア視点の日本発「英語ニュース局」の誕生

　最初の段階では、ニュース番組が主で、文化関連は音楽番組が先行するようだが、時がたつにつれ、日本の文化情報番組が増えていくであろう。

　定時のテレビニュースで、昨年は、羽生三冠（当時）の北京での講演、羽生永世名人資格者誕生、里見倉敷藤花誕生、渡辺初代永世竜王資格者誕生が報じられたと思うが、同種のニュースが今後日本で発生したときは、それらが英語になって世界へ同時に映像で報じられてほしいものだ。

eBay で売りに出ている"Shogi Match" とされたNARUTOのトレーディングカード

　アニメ NARUTO の師弟キャラクター、アスマとシカマルの将棋シーンが世界各国に shogi を広めていると筆者は認識をしているが、NARUTO のトレーディングカードにも Shogi Match とタイトルされたものがあり、かなりの高値で売りに出ているのを見つけた。

Shikamaru Nara & Asuma Sarutobi "Shogi Match" - US-040 - eBay (item 220353202750 end time（Feb-28-09 15:02:45 PST)

　上記にリンクしたページの下の方に、当該カードの大きな写真がある。売りに出ている値段は米ドルで$11.22 であり、かなり強気な値段である。