梅田望夫氏が、棋聖戦第一局のリアルタイムの観戦記を書いた後に書いたまとめの文章が産経新聞のネット版で読めるようになっている。また、自身のブログにも言及がある。そこで、将棋の見せ方について、以下のようなコメントがある。
棋聖戦「孤独な営為に深い感動」米ミューズ・アソシエイツ社長 梅田望夫 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
産経新聞への寄稿: 棋聖戦「孤独な営為に深い感動」 - My Life Between Silicon Valley and Japan静寂の対局室と、対局内容の研究が活発に行われる控室。その二つを往復しながら私は、自らの脳だけを信じ、衆人環視のなか苦吟する両対局者の孤独な営為に深い感動を覚えた。きちんと映像に残し、見せ方さえ工夫すれば、将棋界最高峰の対決は素晴らしいコンテンツになるに違いないとも思った。
これを受けて、今現在、インターネットで映像を使って将棋はどんな楽しみ方ができるようになっているのかを少し考えてみた。「将棋界最高峰の対決」かといわれてしまうと、そうではないのだが、LPSAのネット中継は、Ustream のビデオ画像と、盤面再生の画像の二つを2枚のブラウザに立ち上げて、交互に比較をしながら見ることができてしまう。例えば、本日の朝 10:00 から行われた中倉彰子女流初段対藤田麻衣子女流1級戦。これは Ustream で生中継されていたが、対局後でも、ネット上で盤面再生と、録画ビデオの両方を見ることができる。カメラは、対局開始から終局後までの着席中の両対局者の表情、しぐさを休むことなく捉えている。
盤面再生 - 中倉 彰子初段-藤田麻衣子1級
Ustream Recorded Video - 中倉 彰子初段 vs 藤田麻衣子1級
この棋戦の持ち時間はチェスクロックで双方30分、それを使い切ると一手60秒未満の秒読み。上記盤面再生のコメント画面によれば、両者が一分将棋になったのは、76手目。その後、どちらが相手の穴熊玉に先にたどり着くかの一手争いが繰り広げられ、最後は先手玉が詰むや詰まざるやという流れになるのだが、一手一手を盤面再生で進めながら、対局者の表情やしぐさを観察し、気に留まったところがあれば、何度でもスライダーを動かして該当の場面を見直せるという贅沢な楽しみ方ができる。Ustream だと、画質がいまひとつなのは否めないが、それは時間とともに改善されていくだろう。
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