20日付のニュースより一部引用。太字による強調は筆者が施した。
子供たちのマンモス囲碁大会 モンゴルの協会会長が見学 - MSN産経ニュース
モンゴルの囲碁人口は3000人ほど。まだ有段者は少ないが前日関西棋院の塩川正十郎理事長らとも会い、「親善交流などについて協力を約束してくれました」と喜ぶ。
トゥムルバートルさんは日本語も達者で、モンゴル・日本文化文学センター(NGO)代表でもあり、これまで川端康成や司馬遼太郎の作品などを翻訳している。昨年から将棋協会の会長もつとめ日本文化の紹介に奔走している。
このトゥムルバートル氏はかなり政治力のあるかたのようだ。この方に関連した囲碁の活動で筆者がネット上で見つけたものには以下のようなものがある。
同協会のホームページの日本語版。日本語版をつくっているところが憎い。引退したモンゴル人力士の旭鷲山関が名誉会長になっている。
女流棋士の梅沢由香里さんの出身校で、総合的な学習の時間などで囲碁に取り組む立川市立南砂小学校(真壁繁樹校長)は21日、モンゴルのナラン小中高等学校とテレビ回線などを使って囲碁の対局を行った。
第5回日本国大使杯争奪囲碁選手権大会の案内(在モンゴル日本大使館)
第4回日本国大使杯争奪囲碁大会 (同上)
このようなイベントを行ってきた政治力のある方が、モンゴル国内で将棋の普及も手がけるのは心強い。中国の上海で将棋の普及が日本以外の国で一番進んだ要因のひとつが、現地の中心人物の許健東氏の手腕と、日本語力によるところだと筆者は考えている。トゥムルバートル氏が将棋協会を作ったというのは第二の許健東氏の登場といえるのかもしれない。
筆者は上記の人とのコンタクトはまだないが、別のモンゴル人の方で、将棋をウランバートルの小中学校に広めようとしている方とはコンタクトがある。その方は日本語はできず、英語でコミュニケーションをとっている。自宅でインターネット接続をしていて、こどもへの直接指導で模範となるため、将棋倶楽部24で対局を重ねて自分の実力の向上を図っている。彼によれば、モンゴルの一般家庭ではインターネットを接続しているところが少なく、ネットカフェを利用しないと接続ができないのだが、米ドルで1時間 0.30~0.50ドルの利用料が高いので、将棋倶楽部24で子どもを対戦させて「学習の高速道路」に乗せることがまだできていない。仮に100ドル送れば選抜した子ども10数人をかなりの時間、対局させてやれて実力向上を図れる機会を作れるのだが、PayPal ではモンゴルへの送金はまだできないと PayPal のサポートセンターから返事が先日あった。安い手数料でのモンゴルへの送金方法をさがしているところ。
いずれにせよ、モンゴルの二人がうまく将棋の普及で仲たがいせずに協力をしてくれるといいのだが、と思う。
ところで、最初の記事では、国内の将棋界的には次の部分が衝撃的だったかもしれない。
会場には、マンガの主人公のぬいぐるみを着たプロ棋士ら20人が応援にかけつけ、負けた子供を励ましたり、指導碁コーナーで汗だくの大活躍。
NHK将棋講座のコスプレ路線が1回で途絶えてしまったのは返す返すも残念である。
お久し振りにコメントします。
いつも質量ともにweb棋界の群を抜く情報ご発信で、頭が下がります。
takodoriさんは徒者ではないのではと常々疑問に思っておりましたが、漸く「組織的な国際普及での功績が、多々おありのご仁」と判りました。
この間お会いした折も溌剌としておいでのtakodoriさんでさえ、老眼をご心配の様子となれば、私も三十路半ばで老眼の先受けをすべきかと愚考致しております(苦笑)。
[将棋界内外のアルファブロガーが棋士の著書に言及]http://shogi.typepad.jp/brainstorm/2007/11/post_6b63.html
非常に興味深く拝見しました。概ね論旨に賛同致しますし、今後の論議展開が興味深い所です。
強いて言えば、渡辺明竜王と梅田望夫先生はご当事者ですので、両人に関しては「興味をそそられての言及」というより、出版社や棋界への「責任感の発露」と解すべきではないでしょうかと、ご指摘申し上げます。
モンゴルは、相撲界での普及状況や人材発掘、「ブフ(モンゴル相撲)」と相撲の比較論が棋界に掲示を与え得るかが、棋士として興味深い所です。
takodoriさんが現地の将棋普及関係者に献金をお申し出との事で、普段依りのご活動の延長とは言え感服致しました。
私自身がコスプレや着ぐるみでの指導対局に興味津々かはともあれ、私が存じ上げる限りシャタル(モンゴル将棋)は、所司先生が年1度開催されている「世界の将棋大会」で触れられる程度です。
ご協力が板に付けば、相互普及及び理解への道筋を模索すべきかも知れません。
【モンゴル・ブフ・クラブ】http://www.geocities.jp/mongol_buhk/index.html
ブフはシャタルと違い本場で隆盛していますので、シャタルより遙かに普及の展望は明るそうですが。
【異端が作った日本一高価なコシヒカリ (地方再生物語):NBonline(日経ビジネス オンライン)】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071102/139544/
先にTV放映もあり、連盟でも噂話になりました。
戸辺四段が「偶に帰って田植え等を手伝っている」旨教えてくれましたが、将来「国手が植えて名人が育てた、日本第一の米」等と銘打たれて、中国に輸出されるかもと夢想しております。
追記
「風林火山」を観ておりますが、今後又ジェームス三木さん脚本の作品が制作され、「独眼竜正宗」や「八代将軍吉宗」同様に将棋を嗜むシーンが現れないものか、と思う時があります。
投稿情報: 窪田義行 | 2007年11 月22日 (木) 14:50
> 窪田義行さま
コメントありがとうございます。拝読しました。ブフというのは初めて知りました。
「インターネット放送局の立ち上げ」については進んでいるのでしょうか。Stickam とか Ustream とかのキーワードが日本語で読める「学習の高速道路」上に今年から転がり始めているようです。いずれ書きますが、海外の日本語教育機関の日本語教育者向けに、彼らが日本文化としての将棋を生徒に紹介しようと思ったときにアンチョコとして役に立つ番組などを作って24時間いつでもどこからでも見られるようにしてはどうだろうか、などど考えているところです。
投稿情報: takodori | 2007年11 月23日 (金) 11:37