筆者は英語で shogi という単語が入った新しい英語のコンテンツを、ほぼ毎日、インターネット上の様々なリソースを使って集め、斜め読みしている。そうすると思わぬ情報に出くわすことがある。本日ご紹介するのもそれ。
きっかけは、arukun さんの LiVEJOURNAL への11/30の書き込み(英語)。一部を抜粋する。
I watched a movie today called "wandufuru raifu" (wonderful life) or better known as Afterlife. It's a Japanese film that's sort of half documentary and half fiction. It was a very thoughtful movie, slow, but rather touching and thought provoking.
The movie doesn't just go into detail with the "patients," it gives insight into each of the counselors' lives, like how the supervisor gets into brief fights over Shogi with the security guard...
要は、 日本の半分ドキュメンタリー、半分映画という変り種の作品だが、非常に心がこもっており、ゆっくりはしているが、arukun さんの琴線に触れ、思考を大いに刺激した映画に、将棋のシーンがあるということ。これは見ずばなるまいと思って、週末にレンタルして鑑賞した。
作品名は、是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」(リンクは日本語公式サイト)だった。当欄は映画のレビューをする欄ではないので詳細は省くが、ひとことでいうと傑作である。将棋のシーンは、最初のほうにひとつ、最後のほうにひとつと2シーン出てくる。この最後のシーンは外国ではどっと受けたようだ。同映画のプロデューサーの佐藤志保氏の証言が上記サイトのページにある。(太字による強調は筆者による)
なぜなら外国の上映では、月曜日のシーンなどからお客さんはゲラゲラと笑って観ているんですよ。まず、「お亡くなりになりました。ご愁傷さまです。」のところで、ドッと来て、最後の谷啓さんと横山あきおさんの将棋のシーンなんかは爆笑がおきるのです。勿論、笑ったらOKとは全然思ってないのですよ。誤解のないよう…。
上記サイトによれば、本作品は、海外で様々な映画賞を受賞している。また、公式ページの英語版も作られて豊富な情報が載っている。
ある映画がどのくらい、また、どのように外国で観られたのかを調べるときに筆者が使っているのが、英語サイトのIMDb(The Internet Movie Database)のユーザーコメントである。本日現在、同作品には82本のユーザーコメントが寄せられている。また同作品の User Rating はやはり本日現在、7.8/10 (2,237 votes) である。IMDb の Top 250 chart の250位の点数が 7.8 であり、省略されている小数点2位以下の数字の序列で「ワンダフルライフ」はチャート入りしていないがかなりの上位であることは間違いが無い。Top 250 に入っている日本の作品は、黒澤作品、宮崎作品くらいしか見当たらないので、日本映画としては、それらに次ぐ User Rating ということになる。IMDb 上の数字からすれば、本作品は外国の映画ファンから高く評価されているどえらい邦画、ということになる。
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