当欄では何度か NARUTO のキャラクターのシカマルが、日本に将棋というゲームが存在するということを海外に広めていることを書いているが、将棋普及効果のクライマックスともいうべきエピソードは第64話の「雲はいいなあ… やる気ゼロの男」であることがわかった。DVDでは「NARUTO -ナルト- 2nd STAGE 2004 巻ノ八」(リンク先はアマゾン)に収められている。
第64話で描かれる中忍試験にのぞむシカマルの存在感はそれまでのエピソードに比べると圧倒的である。このエピソードの前まで、シカマルは「やる気ゼロの男」として描かれているのだが、第64話を見る前と見た後では、おそらく見る者の大半がシカマルというキャラクターに対する見方を一変させるはずである。ともあれ、シカマルの人物像を語るときの試験官側のアスマの回想の中で、アスマとシカマルが将棋を指しているシーンが出てくる。また、アスマのセリフには「詰将棋」という言葉も使われている。筆者は第64話を最初から最後まで見終わった瞬間、海外の NARUTO ファンの頭の中に、何ゆえ将棋というゲームの存在が強く印象に残るのかをたちどころに理解した。このエピソードは白黒のコミックスの同じ部分を読むだけではそのインパクトを感じ取ることができない。どうしてもカラーで音響つきの映像のほうを見ないことには、そのインパクトを正しく評価できないと筆者は考える。
海外の将棋普及に関わっている方は、NARUTO の第64話だけはぜひとも見ていただきたいと思う。事の善悪は別として、NARUTO の各エピソードが英語はじめいろいろな外国語で現在ネット上で鑑賞できるようになっているのは、その気になれば確認が可能である。
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