アスキー発行の雑誌「ネットワークマガジン」の2月号の表紙は、振り飛車穴熊囲いの写真である(飛車が六間に居るのが若干奇異ではあるが、ビジュアル的な意味で飛車も写したかったのであろう)。特集のひとつが、「個人を守る最後の砦」という表紙の見出しの通り、個人が使っているネットに接続したパソコンを不正なアクセスや、ウィルスの被害からどのように守るか、というもので、さまざまなセキュリティソフトの比較が載っている。本文をめくると、表紙だけではなく、その特集記事の節々に将棋の盤駒の写真が使われている。目次を見ると、Art Direction は Keiichiro Tajiri 氏とのこと。
ご存知の通り、原型の穴熊囲いは絶対に王手のかからない、従っていきなり詰まされることの無い囲いである。「自分のパソコンに王手をかけさせない、また、いきなり機能不全に陥らせない」という意味が込められての穴熊囲いの表紙採用と思われる。
この雑誌は将棋をよく知っている人だけが読む雑誌ではないのはもちろんである。将棋の局面のショットが、隠喩として将棋以外の雑誌の表紙にもなりうるという事例であった。
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