週刊将棋10月18日号4面に、読売新聞文化部西條耕一記者の「記者の目-①」がある。その中より引用。
「そこまで苦労して海外対局をしなくても…」という声も聞くが、国際普及は将棋連盟の定款にもある主要事業の一つ。
竜王戦開催をきっかけに支部の活動が発展した地域は、上海や台湾など数多い。批判もあるだろうが、海外対局の隔年開催は当面堅持する予定だ。
Wikipedia の竜王戦の項目の日本国外での対局によれば、2000年は上海、2002年は台北、2004年はソウルというように、今期のサンフランシスコの前の過去3回は、ほとんど時差がないところでの開催だった。そのせいもあって、今回、対局者の時差調整の難しさが目立ってしまったのではないかと思う。
大相撲の海外巡業などのように、広く一般に公開され、現地の人が直接異文化を体験できるイベントと違って、将棋のタイトル戦はメインとなるべき対局が基本的に関係者だけの密室内で行われるところに、普及の点から言うと、難しさがある。おそらく、盤側に張り付いていたのは日本のマスコミと日本将棋連盟関係者だけだと思うのだが、今後は、地元のマスコミや、場合によっては、ブロガーなどを盤側に招くなどして、現地の人によって、現地の言葉で観戦記その他が発信されるような仕掛けが必要なのではないだろうか。
一般の人に対して、直接の異文化体験を仕掛けるという意味では、早指しの棋戦を公開対局にして海外に持っていく、というのもありではないか。鹿島杯あたりで考えてくれたら嬉しいのだが。今の普及状況から考えれば、上海や北京なら公開対局に来場者が集まらないことを心配する必要は全く無い。
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