6月7日にフジテレビの人気番組「トリビアの泉」で、ZONEのコンサートに間に合わせるために、持ち時間を使わずに将棋に勝った大平四段のエピソードが紹介された。その内容は、勝手に将棋トピックスの6月7日のエントリーが詳しい。なお、このトリビアは、1分未満の消費時間をカウントしないという日本の囲碁・将棋の独自の方式があるために生まれたことを指摘しておきたい。チェスの対局では持ち時間を消費しない、という記録は生まれようがない。
さて、「トリビアの泉」の視聴率だが、Air-Be というページが、オンエアされた回ごとの視聴率を追ってくれている。それによると、プロ野球中継で開始時間が遅れたものの7日の回は、11.1% とのことだ。
このように有名になってしまった、大平四段と児玉七段の対局とエピソードについて、海外の将棋ファンに発信したいのだが、必ず返ってくるであろう質問があって躊躇している。それは、「二人の棋譜を見てみたいのだが」という質問である。
この対局は番組でも紹介されたが、第18期竜王戦の一局で昨年の3月18日に行われているので、昨年の8月1日発行の平成17年版の将棋年鑑に載っているかと期待したが、第17期の予選までしか載っておらず、従って、日本将棋連盟で販売している「棋譜 Data 2005」にも含まれていない。非常に残念である。
ただ、ネット上には、両者の対局とされる棋譜が存在している。それによれば、先手児玉七段のカニカニ銀に対し、大平四段が、二枚銀を繰り出し、相カニカニ銀とでもいうような珍しい形で対抗した内容でなかなかの面白さである。
しかし、上記のページではわからないことがある。わたしが一番知りたいのは、児玉七段の27分の消費時間の内訳である。どの手で、何分考えたのか。また、児玉七段は、他の対局でもあまり時間を使わずに指しているのかどうかについても非常に興味がある。
「棋譜Data2005」には児玉七段の対局は1局だけ所収されている。その対局は、第63期順位戦C級1組の対小林九段戦で、児玉七段は6時間の持ち時間のうち、5時間38分を使っている。相手が早指しだと、こちらも気合で指し手が早くなる、ということはあるのだと思うが、竜王戦で27分という消費時間は異常に短く、児玉七段側にも、何か特別の事情があったのではと感じるのは筆者だけなのであろうか。
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