12月4日にNHKラジオ第一で放送された日曜訪問の青野九段のインタビューを自分で録音しておいたものを、当日リアルタイムでも聞いたが、今日も聞いた。青野九段が語ったことは筆者には既知のことがほとんどだったので驚いたことはなかったが、聞き手の佐塚元章アナウンサーが以下のやりとりでやや大仰に感嘆していたのは驚いた。
佐塚アナ「将棋の海外普及という点ではインターネットが大きな力になるわけですか。」
青野九段「そうですね。初めてきた国の人が強いということはインターネットで強くなっているわけですから、ですからこれからインターネットがまったくわれわれの知らない将棋ファンを生み出すんだろうと思うんですね。ただインターネットはあくまでも点ですので一人の将棋ファンが増えていっても組織立ったものを作るというのはまた違いますので点を増やすと同時にまたその点を線にし、面にしという、その作業が将棋の普及にとっては大事なことだと思います。」
佐塚アナ「わたしあんまりイメージがわかないんですが、インターネットで対局ができるんですか。」
青野九段「対局ができるんです。」
佐塚アナ「そうしますと、日本だけでなく、世界どこにいてもインターネットが可能ならば将棋を指すことができる、対局することができることになりますか。これはすごいことですね。」
文字で起こすと、平板に見えてしまうが、佐塚アナウンサーは太字の部分を本当に感服したというような口調でインタビュー中にかみしめるように強調したのでびっくりした。調べると佐塚アナウンサーは59歳の方のようだ。筆者やこのブログの読者の人にとっては、将棋倶楽部24、Brainking, PlayOK, 81dojo などの対局サイトが存在して、インターネットに繋がっている人なら世界中どこにいても24時間将棋を指すことができることは半ば常識といっていいだろうが、NHKラジオの平均的な聴取者にとっては、それはまだまだ「すごいこと」なのかもしれない。しかし、その「すごいこと」が起こっていることがラジオで広く一般に流れたのは良かったとも思い返している。
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