先月になるが、7月14日から17日までドイツ南西部ルートビヒスハーフェンで行われたヨーロッパ選手権戦、ワールド将棋オープン戦などについてまとめておく。
まず、日本語の新聞記事。
腕組みをしながらじっと盤面を見つめるドイツ人棋士たち。将棋を指せない自分が悔しくなってきた。
アジア以外では最大規模というアマ将棋の欧州選手権がドイツ南西部ルートビヒスハーフェンで開かれた。ドイツ開催の今年は日独交流百五十周年にも 当たり、同時開催のオープン選手権とあわせて欧州のほかにも日本、中国など十五カ国、約百人が参加。四日間で各種対局を重ねた。
欧州での悩みは、指導書などの翻訳が進んでいないことという。プロ棋士による指導対局で、日本から訪れた瀬戸博晴六段は「熱心さに驚いた。将棋を今以上に世界一流のゲームと認めてもらうため、海外のレベルを高めたい」と話した。
海外の将棋大会の様子が日本の新聞で紹介されるのはあまり例がない。
続いて、日本語のブログ。日本からの参加者によるもの。写真が多いのでリンク先を見ていただければと思う。
7月13日(水)~21日(木)まで、上田将棋指導員と二人でドイツでの将棋交流・早指し戦並びにワールドオープン将棋選手権に出場してきました。初めて のドイツ行きでしたが、日本から参加された方々やヨーロッパなどに在住されている日本人の方々、ヨーロッパ各国の方々との将棋を通じた交流が持てたこと、 さらに個人的には、なでしこジャパンが優勝した翌日、ドイツの新聞にベトナム系ドイツ青年との将棋交流対局の様子が大きく写真入で掲載されたことは、何物 にも代えがたいすごく記念になる出来事で、本当に忘れられない有意義な旅でした。フランクさんご夫妻と再会、チェックイン後、部屋へ荷物を運んでから17時より開会式です。琴の演奏を交えた開会式で、ルートヴィヒスハーフェン市長挨 拶、そのあと日本将棋連盟を代表して、瀬戸博晴六段が挨拶をされました。高田尚平六段、片上大輔六段・北尾まどか女流初段ご夫妻も出席されていました。参 加者は92名(15カ国)で、日本人は14名が参加しました。そのうち日本からは7名、それとヨーロッパや香港在住の日本人の方々が7名です。16日(土)6時30分に起床、8時から朝食、9時から4回戦、午後から5回戦、6回戦の開始です。対局終了後、ついつい感想戦をその場でしていると、運 営役員より「静かに」と注意を受けました。対局マナーは、日本より徹底されていると感じました。ヨーロッパの選手の中には、日本語が少し出来る人がおら れ、交流を持つことが出来ました。それと、今日は、ヨーロッパ将棋選手権の準決勝・決勝および表彰式、こども大会の表彰式が行なわれました。
通年は、ヨーロッパ選手権とワールド将棋オープン、ブリッツ(早指し)の3本立てのトーナメントだが、今年は子供大会が別途に設けられたようだ。
大会結果。
ヨーロッパ選手権の優勝者は、フランスのJean Fortinさん。3連覇を達成した。2位はドイツのBoris Mirnikさん、3位は同じくドイツのThomas Leiterさん。1位と3位の方は、81dojoでもよくハンドルネームを見かける。ワールドオープンの上位は、在住の日本人と日本からの参加者が独占した。
現在ドイツに赴任中の HIDETCHI 氏もこの大会に参加し、後日そこで知り合いになったチェスのIMの家を訪れた。そのときのことの氏の twitter の発言より。
チェスのIMん家行ってきた。1勝2敗でした。やっぱ強いー。「ヨーロッパに海外普及にくるプロ棋士はなんで英語が話せないの?」って質問されてしまいました。「日本人は英語話さないんです」「羽生善治は話してたよ」「いえ、あの方は特別です」
そろそろ、海外の将棋イベントにプロ棋士が行くだけで喜ばれる時代は終わりなのかもしれない。今後の海外派遣は、通訳が用意できない場合は、語学ができるプロ棋士か、それが不可能なら語学のできる指導棋士や普及指導員が派遣されるほうが、現地の将棋普及にとってはいいのではないかと思う。
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