ヤングアニマルで連載中の羽海野チカ氏の「3月のライオン」 Chapter.3 を読んだ。その感想や、関連のブログで気に留まったものなどをメモ。
今回は、将棋界のエピソードがかなりアレンジされて使われているなと感じた。対局日に渋谷から千駄ヶ谷の将棋会館まで羽生三冠が歩いていくということが昨年NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介されたが、主人公の対局日の習慣にそのエピソードが反映されている節がある。また、大山名人が山田道美八段(当時。死後に贈九段)に「暗くしなさんな」といったとされる場面を彷彿とさせるような絵もある。棋士のあだ名も使われている。
先行する人気マンガ「ハチワンダイバー」をかなり意識している気もした。柴田ヨクサル氏は同作品で、2つのギャップのあるキャラクターに変身する女を登場させ、その身体のとある部位を重要なモチーフとするという将棋マンガとしては異例の「新手」を放ったが、Chapter.3 で羽海野氏はそのヨクサル新手を踏襲している(もちろん表現方法に相当な違いはある)。筆者としてはこの手順が将棋マンガにおいて定跡化されるのは、目の保養になることでもあり、歓迎するところである。
使われている局面・棋譜については、既に何時か捷ち組!?(義七郎武藏國日記)で当時の控え室の様子にいたるまで触れられているので、技術的な解説はそちらを参照されたい。筆者としては、端を謝った局面を絵にして持ってきた理由が気になっている。今後の展開で、端を謝らずに勝った将棋を登場させるための伏線かな、などと思っている。
このような話題で海外のマンガファン、将棋ファンと盛り上がれる日は来るのだろうか。「3月のライオン」は既にスキャンレーションがされているのを筆者は確認している。だが、「ハチワンダイバー」は海外ではほとんど話題になっていないようである(同氏の「エアマスター」はアニメ化されたので、英語版のWikipedia に Air Master の項目はあるが、まだ、マンガ原作者としての柴田氏の項目は、英語版には無い)
最後に、書店員と思われる方のブログでヤングアニマルの売れ行きに関する羽海野効果について触れているものをピックアップ。
最近の戦利品(鏑木週報(の縮刷))
羽海野チカ『3月のライオン』。14号から新連載。POSのデータを見たら、14号で増えた女性客が15号からはひとりもいなくなってたw
3月のライオン 気がついたら#3だよ!(notunlimited for ねころぐ)
現在私の働いている某大手書店のKでも全店売り上げでも始まる前の号との比較で売り上げ部数が倍以上になりました。
連載開始の14号は13号の倍売れたみたいだが、15号以降もその部数が継続しているかというと、コミック待ちにした人もいると思うので、多分、14号が当面のピークとなるのだろう。
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