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フランスのアルザス将棋協会のウェブサイトに、１０月２５日にナンシーで行なわれた日本文化行事 Nuit du Japon (日本の夕べ）で、将棋の紹介を行なった際の写真と記事が英語とフランス語の二ヶ国語で発信されている。フランス人が、フランス語だけでなく、英語でも情報発信をしてくれるのは、世界の将棋ファンにとって非常にありがたいことである。
多くの写真が使われていて、クリックすると大きく表示される。リンク先の中段右端の写真をクリックすると、かわいらしい子供が将棋を覚えようとしていて、心が和む。使っている駒を良く見ると、９升の真ん中に字が書いてある一字駒で、動き方を矢印などで補っている初心者用のものが使われている。フランスでは、将棋が全く初めての人にどのように将棋を紹介したらよいか、上記の写真と記事を読むと、かなり経験を重ねてノウハウを蓄積しているようである。
一つ前のエントリーで、天童駒の佐藤敬商店のインタビュー記事が載っている PingMag MAKE という日英二ヶ国語のウェブマガジンの記事へのリンクをしたが、そのウェブマガジンのトップページには、英語圏でよく使われているソシアルブックマークの delicious で１２０個以上のブックマークがついていた。
Everyone's bookmark for:PingMag MAKE - The Japan-based interview magazine about "Making thi...
delicious のブックマークの数からすると、この週刊のウェブマガジンの英語版は、海外の広く日本に関心のある人に結構繰り返し読まれているようである。そういうメディアに shogi という文字が載ったことがきっかけで、初めて日本に shogi という伝統文化があることを知った海外読者も相当数いるのではないかと思われる。
以下のようなウェブマガジンの記事を見つけた。写真をふんだんに使い、日本語だけでなく、同時に英語で発信をしているのが良い。このような形の将棋関連の情報発信がもっと増えないものだろうか。
これには苦笑させられた。英語の Twitter にも Shogi が登場するようになったんだ。しかもこの人、かなり将棋が好きそうだ。
Twitter / Luis Anaya: I'm up, my wife does not l ...
I'm up, my wife does not let me play Shogi instead of doing real work. bah.
日本に住んでいるらしいカンボジア人の方の２７日付のブログで、日本語普及協会(AJALT)の霞ヶ関ビルで行なわれたパーティに外国人学生が招かれ、様々な日本文化が紹介され、その中に将棋もはいっていたことを知った。将棋盤で対局している写真も載せられている。
"Frenix!!!" Spend Time Enjoy Your Life: AJALT Party
Shogi, a game which is heard to be interesting! Unluckily, haven't tried it yet.
日本語普及協会の方のサイトを見ると、Cultural Day という日本文化紹介のイベントをやっているようで、今回のはまだ乗っていないようだが、昨年の１１月に行なわれた Cutural Day の記事があるのを見つけた。やはり、将棋を楽しんでいる写真がある。
PR activities 【AJALT Gathering 2007】 -AJALT
After the concert, the participants enjoyed chatting, experiencing shodoo or Japanese calligraphy, and playing igo or Japanese checkerboard game and shoogi or Japanese chess.
このような団体が存在し、上記のような活動をされているのは知らなかった。不明を恥じるばかりである。
Chopsticks NY という「日本」をニューヨークで体験するためのネットメディアがある。日本食のレストラン、日本茶が飲めるカフェ、日本食の食料品店、和風の小物屋、着物の着付けなど、「日本」を体験できる情報が網羅されている媒体のようだ。ここに、New York Shogi Club が Shogi と題する写真つきの記事を出しており、将棋がどんなゲームかを歴史を含めて簡単に説明し、また、毎週、日本食レストラン Naniwa で例会を持っていることを伝えており、参加者を求めている。
SHOGI CHOPSTICKS NEW YORK
上記の記事には日付がないので、いつ上げられたものかちょっとわからないが、上記の記事を読んで例会に参加するようになったらしい Todd さんという方が、別の Meetup 案内のネット媒体に、10/29 の例会の案内を出している。
Mission #14: Search out the Shogi Master at Naniwa!!! - Nippon Food Club of NYC (New York, NY) - Meetup.com
ニューヨークでは、英語のネット媒体を通じて、shogi の集まりの告知・宣伝がされるようになったということだろう。ネット対局場だけではなく、このようなリアルの場でも、ネットの現地語の情報を元にした将棋による社交が行なわれるようになってきた実例である。
パリの竜王戦の後、しばらくフランスに滞在して普及につとめていた佐藤（紳）六段と、早水女流二段がアルザスで将棋の普及活動を行なった写真などが、アルザス将棋協会のウェブサイトで公開された。フランス語のページと英語のページがあるので両方にリンクする。リンク先の写真をクリックすると拡大表示される。
Visite de Sato Sinya et Hayamizu Chisa - Colmar - 21 Octobre 2008 | Visit of Sato Sinya and Hayamizu Chisa - Colmar - 21st of October 2008
手製と思われる大盤を使っているところに現地の将棋普及の熱心さが窺える。
ACM(Association for Computor Machinery) が、ACM Guide to Computing Literatureというページを開設しているのを shogi で過去２４時間以内に shogi というキーワードが使われたページを検索してたまたま見つけた。コンピューター工学関連の英語文献が検索できるようだ。試しに "shogi" というキーワードで検索し、それを Publication date でソートしてみた。その結果が以下である。
Results (page 1): shogi
10/22 のエントリーInternational Abstract Games Organization が Shogi を Hall of Fame として選定に対してトラックバックしてくれた記事をご紹介。
- 基本的に将棋というのは日本ローカルな存在だったから、海外に輸出されて新しいアブストラクトゲームの誕生に寄与することもなかったし、既存のアブスト ラクトゲームの進化に影響を与えたこともなかった。だから、（世界のゲーム史の中で見た）歴史的意義や影響力という面では非常に弱い。それがなぜ殿堂入り の栄誉に輝いたのかと考えると、やはりそれを補ってあまりある将棋の持ち駒再利用ルールの革新性が評価されたのではないかなと私には思えた。
「将棋が既存のアブストラクトゲームの進化に影響を与えたこともなかった」と断定しきっていいかどうかは若干の疑問が筆者にはある。現在、取った駒を使える chess の Variant として、Bughouse, Crazyhouse などがネット対局サイトを中心に指されているが、これらの Variant が考案される際、将棋の存在が全く知られていなかったのかどうか。直接的な関連がないにしても、それらの先駆的な存在として評価される意義はあると思う。以下の Boardgamegeek はの IAGO の Hall of Fame の発表の８番から、似たような議論が行なわれたことが窺える。
GeekList: Initial Inductees into the IAGO Hall of Fame | BoardGameGeek
There were arguments against Shogi getting in. Some thought that Chess was all that was needed to represent its category for balance. However, the dominance of Chess-like games worldwide in abstract strategy games, necessitated more than one game that is like Chess to be included. The use of drops as been reused in a bunch of games since, with Bughouse being a notable title. The promotion rules for the pieces is also unique. From a play mechanics standpoint alone, it got in.
ところで、この殿堂入りした１０のゲームは、１００の候補から絞り込まれたことが公開されている。最初の１００のゲームについては、Boardgamegeek に今年の８月３１日に以下の紹介がされていた。
これら１００のゲームの写真を集め、紹介文を書くだけでも大変な時間と労力がかかっている。そういう過程を経て、Shogi が選定されたということを補足しておきたい。
今年の９月５日より、HIDETCHI 氏による英語の将棋入門ビデオシリーズが速いペースで Youtube に上がっている。英語のコメントを見ていると好評のようである。将棋の海外伝播の歴史にとって、英語で将棋入門の映像シリーズが登場したことは非常に大きな出来事だ。英語のわかる外国人で将棋に興味を持つ方を知っていたら、ぜひ、以下のビデオシリーズを教えてあげて欲しい。シリーズはこれで終わりではなく、今後も続いていくようである。
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