よく使われるビジネス用語に「ベンチマーキング」「ベストプラクティス」という用語がある。カタカナ用語でわかりにくいが、ネット上にある用語解説にいくつかリンクを張って見よう(「ベンチマーキング」へのリンクしかないが、用語解説の中に「ベストプラクティス」についても触れられている)
ベンチマーキング(@IT情報マネジメント用語辞典)
ベンチマーキング(NRI経営用語の基礎知識)
ベンチマーキング(MBA/MOT学習に役立つ経営・ビジネス用語集)
いろいろと難しいことが書かれているが、非常にざっくりといってしまえば、その道の一番手の真似をすることで、物事をうまく回していきましょう、ということ。
10/22のエントリーで、文部省(含む、文化庁)所管の公益法人の伝統武道、伝統文化等の権威ある団体のうち、どんな団体が英語で情報発信をしているか力任せにひとつひとつ確かめてリストにしてみた。本日のエントリーでは、その中でどれがベストプラクティスといえるのかを考えてみたい。
筆者の結論では、それは相撲協会ということになる。われわれ日本人は、相撲の情報を得るのに日本語しか普通使わないので、同協会がどのような英語の情報発信をしているか知らない人がほとんどであろう。筆者も最近まで知らなかった。次のページを見ていただきたい。
英語版のトップページである。情報量は多く、幕内の番付表(力士の四股名はローマ字表記されている)があり、その下の番付表へのリンクがある。そのほか、トップページからのリンクとして、11月場所の案内、チケット情報などの営業情報のほか、相撲部屋の案内、「親方」「行司」「呼び出し」などの相撲界独特の役職の説明、歴代優勝者のリスト、イラスト入りの決まり手それぞれの解説、初心者向けのガイドテキスト、場所前の注目力士へのインタビュー(動画)などがある。今は場所直前なので、載っていないが、場所が始まるか終わるかすると、直近の幕内のなかから、見所のある取り組みを15番ほど動画で紹介するコンテンツも載るはずである。
この Goo大相撲には、初めての外国の方が相撲とは何かを理解する入門者向けのコンテンツと、場所ごとに更新される既にそれなりに相撲ファンになった方向けの、いわば中級者向けのコンテンツが両方集められている。
Goo大相撲のような、動画を含んだ情報発信は、相撲協会単独でできることではない。この場合は、NTT-X(現NTTレゾナント)との共同プロジェクトとして始まったのが、2004年1月19日のプレスリリースでわかる。以下、重要と思うところを引用する(太字の強調は筆者による)
本取り組みは、提供情報の拡充と相撲ファンの更なる拡大を目指し行うもので、ポータルサイトで大相撲の公式情報を提供するのは初の試みです。
本場所中の各力士の最新の番付、星取情報をはじめ、毎日の取組情報や過去の名力士情報など、他のサイトでは見ることのできない日本相撲協会公式情報ならではの豊富な情報を、画像や動画を交え日本語と共に英語でも紹介します。
3年近く前から相撲の世界では、権威のある団体が画像や動画を交えた英語による情報発信を継続的に行っていたわけだ。新たに外国語による情報発信を始める伝統武道、伝統文化等の権威ある団体は、相撲協会の例を大いに参考にするとよいのではないかと思う。
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