第5回国際将棋フォーラムを訪問した森内名人と、フランス、オランダのチェスプレーヤー3人との駒落ち多面指しが同フォーラムの期間中に行われた。その棋譜がウェブ上に公開されているのでリンクする。対局が行われたのは10月の28日の午後7時からのようである。
Anish Giri 氏は、Wikipedia の英語版によれば、1994年にロシアのサンクトペテルブルグで生まれ、2002年に日本に移り、2008年からはオランダに住んでいるグランドマスターとのこと。森内名人との手合いは2枚落ち。歩を捨てて香車をつり上げての、金香両取りの桂馬打ち、やはり、歩を捨てて金をつり上げて香車を打って、金香交換の強要など、鋭い手筋を見せるも、銀の使い方に不慣れな様子で、駒損となり森内名人に押し切られた。
Almira Skripchenko氏は、wikipedia の英語版によれば、インターナショナルマスターであり、また、2001年の The Second Open Women's European Championship で優勝経験があり、ウーマングランドマスターの称号も持っている。森内名人との手合いはこれも二枚落ち。まず、2筋の飛車先を交換した後に4筋に位を張り、それを銀ではなく金を繰り出して確保するという力強い指し回し。その後浮き飛車にして森内名人の金を前進させなかった。終盤の詰みは見事で、名人を破っている。
Maxime Vachier-Lagrave氏は、英語版の Wikipedia によれば、1990年生まれのフランスのグランドマスターで、2009年のワールドジュニアチェスチャンピオンであるとのこと。森内名人との手合いは飛車落ち。定跡を離れたにらみ合いとなったが、引き角から飛車先を突破し、飛車を成り込む展開に。銀の割り打ちや、自陣への竜の引き付けなど奮戦するも、隅への金打ちが効率が悪い手だったようで、寄せ合いの末、森内名人に一手及ばなかった。
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