将棋は文化なのか、スポーツなのか議論は分かれるところだが、お隣では現実がどんどん進んでいる。関連の記事を紹介する(太字による強調は筆者による)。
来年11月に中国・広州で開催される第16回アジア大会で、新競技として「囲碁」が採用されることが12日、分かった。日本オリンピック委員会(JOC)に入った連絡によると、実施は男女2種目でプロ棋士の出場も可能だという。
囲碁の国内統括団体である日本棋院が、日本選手団を派遣するJOCに加盟していないため、アジア大会参加には、JOCによる審査などが必要になる。
アジア大会は、アジア地域最大のスポーツの祭典で、06年ドーハ大会から、頭脳競技としてチェスが採用されている。【栗林創造】
おそらく、囲碁界では日本棋院、関西棋院のなかで、JOCへの加盟の可否が真剣に議論されることになるのだろう。結果がどのようになるのか予測はつかないが。
アジア大会で囲碁を新種目に採用 10年の広州、男女2種目 - 47NEWS(よんななニュース)
アジア大会は開催意義の一つに「友好」を掲げ、五輪で実施されてい ない競技や特定地域の人気競技を取り込み、拡大路線を歩んできた。魏競技委員長は囲碁について中国からの提案を受け、中国将棋とともに採用を決めたとし 「中国、日本、韓国のほか台湾、香港、シンガポールなども参加すると期待している。プロの大会はそれぞれの国で盛んに行われており、アジア大会が優秀な選手が競い合う場になることを願っている」と話している。
将棋も中国以外のアジア各国でもっと指されるようになれば、アジア大会で競技として採用される可能性があると肯定的に捉えるべきだろうか。しかし、チェスや囲碁、シャンチーに先を越されて、将棋がアジアの中でマイナーな競技として置いてきぼりになる心配もある。「将棋道の普及・発展を図り、併せて国際親善の一翼を担い、人類文化の向上に寄与すること」を謳っている団体は、井の中の蛙となるべきではなく、このような大海の動きを緊張感をもって受け止めてほしいと筆者は切に思う。
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