ベラルーシ将棋協会が運営しているロシア語での将棋フォーラム(ネット上の会議室のようなもの)で知った情報。
ベラルーシで最も権威があり、読まれているらしい新聞に、昨年に行われた日本将棋連盟主催の第3回国際将棋フォーラムにベラルーシ代表として招かれた Sergey Korchitskij さんが、千駄ヶ谷駅で王将のモニュメントの隣に立っている写真と、将棋の紹介記事が10月に載った。ベラルーシ語はロシア語に似ているが、違う言語なのでネット上の翻訳ツールでは英語に翻訳できず何が書いてあるのかわからないのが残念だが、かなりの分量の記事である。多くのベラルーシの方々が、この記事で、将棋というゲームがあることを認知してくれることが期待される。
Korchitskij さんは、筆者も会ったことがあるが、大学の研究者で、ベラルーシ国内のマスコミにかなりの人脈があるようなことを話していた(こちらの語学力の問題と、彼のベラルーシ訛りの発音の英語のせいであまり突っ込んだ話はできていない)。ベラルーシで一番将棋が強く日本に招待された人間が、たまたま、マスコミにも人脈があったので、影響力のある媒体に将棋の記事が載ることになったと思われる。筆者の知る限り、将棋国際フォーラムで来日した選手の母国で、ベラルーシくらい将棋がマスコミで取り上げられた国はない(昨年か一昨年にはテレビでも取り上げてもらっている)。将棋が強い人を日本に招くだけでは、各国の将棋プレーヤーの励みにはなるが、効率的に将棋の情報がその国に流れるとは限らない。
海外での将棋の普及には、海外のマスコミで将棋が取り上げられるようになるのが必須条件の一つである。日本に将棋関係のイベントで招かれる外国人が、母国のマスコミ人であるか、マスコミに影響力を持つ人物であったほうが、そうでない人物が招かれるよりも、将棋が取り上げられる可能性が高いのはベラルーシの例でも明白である。国際将棋フォーラムというイベントが続くのであれば、「将棋文化を世界に広めていくために何が必要か」という本質を熟慮したうえで、海外から招く人を選んでいくべきと考える。
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