IGNのShotest Shogi のスクリーンショットを見ながら、筆者の感想や疑問をメモにしてみる。
1枚目 --- Alex(人間のユーザー名かエンジンのキャラクターなのか不明)と Shotest Shogi との練習試合(Practice Mach)の画面。No Timer No Byomi(Byoyomiの誤りか?)とあるので、持ち時間なしと、持ち時間、秒読みの設定ができそうである。練習試合とレーティング対局の両方がありそう。
2枚目 --- チュートリアル画面で、それぞれの駒の動きを説明している画面と思われる。これは、飛車の例。先手側から見てアルファベットと数字が盤の右側と手前に白ヌキで書かれており、指し手を「7六歩」ではなく "P-7f" と表す西洋式を採用しているようだ。盤の画像は高級な厚い盤を模しているので、アルファベットと数字が盤上に見えるのは若干違和感があるが、メインのユーザーが初めて将棋に接する人が多いと思われるので、これはまあ、そんなものか。設定で盤上の数字とアルファベットを消すこともできるようになっているといいと思う。駒台の3次元画像があるのが嬉しい。本物感が漂っているように筆者には思える。
3枚目 --- アプリケーションの初期画面と思われる。シングルプレーヤーモード(コンピュータとの対戦かな?)と マルチプレーヤーモード(人間同士の対戦かな。ペア将棋ということではないと思う)というのがある。
4枚目 --- レーティング表。フィルターのパラメーターが "Overall" 以外にどんなものがあるかが気になる。
5枚目 --- 対戦画面。西洋式の駒が選択できるようだ。西洋式の駒にはアルファベットの一字が、玉(王)=K 金=G 銀=S 桂=N 香=L 歩=P 飛=R 角=B のように与えられており、それぞれの駒の動きが線と矢印で示されている。
6枚目 --- 漢字の2文字駒。ここでは先手が玉、後手が王になっている。駒の大きさ、重厚感を実際の駒によく似せていると思う。
7枚目 --- 対局場は、石庭のあるところのようである。
8枚目 --- Piece Hint の画面と思われる。5五の角が行けるところが一目瞭然である。相手が直前に動かした駒の利きを確認する機能か。
9枚目 --- 西洋風駒による3七角成りの画面。"You are in check" というメッセージが出ているので、王手かどうかがわかる。このメッセージを出さないようにする設定もあるのだろうか。"Undo Move" という文字もあるので、「待った」もできるようになっているようだ。
10枚目 --- 漢字駒によるチュートリアルの画面と思われる。ここで注目されるのは2点。後手が玉、先手が王を使っている点。6枚目の画像では逆になっているので、これは、何らかのロジックで玉と王の選択が自動的に行われている感じである(例えばレーティングの持ち点が高いほうや、ユーザープロフィールで年齢が高いほうが「王」を使うようなロジックが使われているのではないか)。もうひとつの注目点は、7筋でぶつかっている先手後手の歩を見比べるとよくわかるのだが、先手の駒と、後手の駒の色を微妙に変えていること(同系色で明度に差をつけるとこうなるのかな)。チェスのように白黒にしてしまうと違和感があるが、この程度なら日本人にとっても違和感はほとんどないか、全く気がつかないであろう。だが、色で先手後手をわけるチェス等のゲーム文化圏の人にとっては、「駒の向き、漢字の向き」でなく「駒の色」で先手後手の駒が識別できるようになっているのは多分相当な程度将棋というゲームに入りやすくなる工夫なのだろう。このあたり、日本の最新の商用コンピューターソフトではどうなっているのだろうか。
11枚目 --- 10枚目までの盤面の画像は先手側から写したものだったが、これは後手側からのもの。7九の地点で飛車が成るか成らないかを聞いている画面と思われる。
12枚目 --- 角の手筋を解説している画面だろうか。
13枚目 --- 歩の手筋を解説している画面ぽい。青い円で示された升目のどこに歩を打つのが一番いいかを聞いていると思われる。
14枚目 --- 初期画面。「駒を取る」「駒を打つ」のメニューを選択しているものと思われる。
15枚目 --- 対局室の画像。画面左に床の間が見える。上座・下座の概念も取り込んでいるのだろうか。これと玉と王の選択も関係しているとすると凄い。もうちょっと床の間を全部写してくれて、掛け軸や生け花などの有無がわかればなと思った。
16枚目 --- 実戦で駒の利きを説明する画面と思われる。
17枚目、18枚目 --- この画像では座布団だけがうつっていて対局者が居ないがが、実際の対局では、座布団に何らかのキャラクターが正座するようなことになるのだろうか。
19枚目 --- 対局場の日本庭園。季節感を出せる機能はあるのかな。
20枚目 21枚目 --- チュートリアルのメニュー画面。「(成っていない)駒の動かし方」「駒の成り」「駒を取ること、打つこと」「実際のゲーム例」の4つが選択できるものと思われる。
22枚目 30枚目 31枚目 32枚目 --- 「基本の囲い」について説明している画面。チュートリアルにあるのだろう。
25枚目 --- 飛車をどこに打つと金銀両取りがかかるかを解説している画面
26枚目 --- 角をどこに打つと飛車香両取りがかかるかを解説している画面
27枚目 --- 対局開始直前の画面と思われる。
28枚目 29枚目 --- マルチプレーヤーモードの例。既に、Shotest Shogi と、gt080114 が居るのに、"Waiting for Opponent" とあるので、ペア将棋みたいなのができてしまうというだろうか。
総じて、将棋の海外普及にとって、画期的な製品ができあがるのだと思う。国内商用ソフトへのインパクトも相当なものなのではないか。特にユーザーインターフェースの面で。
これだけ、本物感のある対局場、盤駒のスクリーンショットを見せられると、駒音の音声ファイルも聞かせてくれるといいなと思う。かや盤に黄楊の駒を打ち付けた音が使われていると嬉しい。また、駒台の本物感を生かすには、駒を取る動作を、実際の対局のときの動きに近づけるようにしたほうがいいのかもしれないなと思った。現在、ほとんどのコンピュータ将棋では、駒をとる操作は、相手の駒がある升目に自分の駒を動かすことによって機械が勝手に相手の駒を自分の駒台においてしまい、駒台に駒が置かれるときの音ははしょられてしまっていると思うが、NHK杯などの対局を見ていると、駒台に駒が置かれるときの音は、盤と駒によって出される音とはまたことなる味わいのある音である。駒音の美しさというのは、他の文化圏の将棋類にはない、日本将棋がもつ大事な文化的な魅力だと思う。これからのコンピュータ将棋はそういう面も大事にしていってほしいと考える。
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